AIに雇われる日も近い？！-ChatGPTは職業を代替できるのか
どうもYOUNOです。
ChatGPTについて盛り上がっていますね。私も去年末に友人から聞いて以来、首ったけです。どんな質問しても、誠実に回答してくれる姿を見ると、健気さも感じますね。
まさに某ペルソナシリーズAIの「人の良き友人」といったところでしょうか
さて、そんなChatGPTですが、「人間はAIに職を奪われるのか」
という問いが実しやかに囁かれています。
この問いは新しいテクノロジーが登場するたび出てくるカビの生えたネタとも言えますが、今回はこちらを取り上げてみましょう。
人々は技術の発展とともに働き方を変えてきた
根底には、テクノロジーの進歩がどのように働き方や雇用に影響を与えるのか、という大きなテーマが存在します。
歴史的に、テクノロジーの発展によって働き方は変化を余儀なくされています。振り返ってみると、テクノロジーの進歩が雇用にもたらす影響には様々な例が見受けられます。
（テクノロジーの進歩による働き方の変化例）
・19世紀、石油の登場により炭鉱業は衰退し、炭鉱夫という職業は事実上消滅しました。
・写真撮影のデジタル化: デジタルカメラやスマートフォンの普及により、一般の人々が簡単に写真を撮ることができるようになりました。しかし、プロのカメラマンは、技術や感性を活かした高品質な作品作りで存在価値を保っています。
・21世紀に入ると、SNSの登場により、従来の新聞・雑誌・テレビというメディア広告業は、インターネットを含めた新しい市場へと変化しました。
などなど
これらの具体例から見ると、テクノロジーの進歩によって働き方が変わるとはいえ、変化のパターンはいくつか存在することがわかります。
一つ目は、「新たなテクノロジーが完全な上位互換となり、既存の業種や職種が衰退するパターン」（石炭→石油例）。二つ目は、「テクノロジーによってニーズが分化し、既存の業種や職種が特化や棲み分けをするパターン」（写真デジタル化例）。三つ目は、「テクノロジーの登場によって市場構造が変化するパターン」（メディア広告業例）。つまり、テクノロジーの到来により、市場や雇用は変化しても、必ずしも何かしらの職が衰退する、というわけではないということです。この中で「職を奪われる」という現象が起きるのは、一つ目のパターンに該当します。
ChatGPTは市場構造を変える力はあっても特定の職業を直ちに脅かす危険はない
では、今回フォーカスされたChatGPTは、どのパターンに当てはまるのでしょうか？「質問を回答する機能」、「文章を生成・校正・分析する機能」「翻訳機能」の3つの機能ごとに考えてみましょう
「質問を回答する機能」によって、例えばコールセンターのような業務はChatGPTに置き換えられそうです。しかし、現状では前提情報や知見を教え込む、情報を整理するなど、プロンプトエンジニアリング的な要素が必要となっています。それを考えると、フロントの業務はChatGPTに置き換えられるかもしれませんが、その運用を管理する人間は必要となるでしょう。これは先ほど述べた二つ目のパターンに当てはまります。
次に「文章を生成・校正・分析する機能」について考えてみましょう。これにより、ライターや編集者の職務がChatGPTに置き換えられそうに思えます。ただ、編集者の仕事は校正だけではなく、原作者とのストーリーラインの検討や販売戦略の立案、出版社との折衝など、さまざまな要素が含まれます。それらの仕事すべてをChatGPTが代替するのはまだ先に見えます。ライターの場合も同様で、事実をフラットに報道する能力だけではなく、意図や意思を込めて文章を描く力が求められます。このような意思の部分は現時点でChatGPTに判断できない領域です。これらの点を考慮すると、完全に仕事が奪われることはないと考えられます。どちらかというとこの手の職種の人は、ChatGPTと伴走し品質の向上や成果物の増産に力を入れられる人が、業界をリードしていくと期待しています。
最後に「翻訳機能」について考えます。この機能があることで、専門的な翻訳者の仕事が脅かされる可能性があります。ただ、Google翻訳を活用している人なら理解しやすいですが、文化的なニュアンスや複雑な表現を的確に翻訳する、行間を埋める翻訳、といったことは、人間の知識と経験が必要となります（だから訳者によって文学作品の品質も変わるわけです）。したがって、この場合も人間の仕事が完全に奪われるというわけではないでしょう。
以上をまとめると、ChatGPTは、我々の働き方を変える可能性がある一方で、それが業界構造を根底から覆すほどの影響を及ぼすとは限らないと今時点では言い切ってよいのではないでしょうか。
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