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同性婚を認めれば少子化は進むか

早速、質問に答えさせていただくと、
「もしただ同性婚を認めるだけなら、Yes」でしょう。

ただ、ちょっと待ってください。
なぜそう思うか、そして少子化を防ぎつつ同性婚を認めることはできないか、なぜ同性婚を認めるべきなのか、について同性愛者の私から話させてください。


少子化を食い止める最強の方法


誰も提唱しない、少子化を食い止める有効的な方法を私は知っています。
これを採用すれば100%少子化はなくなり、人口はV字回復するでしょう。
いいですか?言いますよ?

それは、「国民に30歳までに子供を3人産むことを義務付けること」です。

でもこれを読んでいるみなさんは、これが現実的でないこと、倫理的でないことをご存知でしょう。なぜなら、これは国が国民の自由・生き方を大きく強制している、人権侵害だからです。

でも、私にしてみれば、「少子化対策のために同性婚を認めてはいけない」という立場の人も、これと同じことをやっているのです。


なぜ少子化が進むのか


質問に立ち返って、なぜ同性婚を認めれば少子化が進むのかについての私の考察です。
それは、「偽装結婚がなくなること」、「異性同性どちらでもいい人(バイ)が同性に流れる可能性がある」ということです。

まず、偽装結婚についてですが、ゲイの世界ではそれなりに見かけます。
本当は同性が好きなんだけど、世間体や親の目を気にして異性と結婚するパターンですね。
バイも同様に、異性同性どちらでもいいけど世間に合わせて異性と結婚、という人が多いと思います。

同性婚を認めると、異性ではなく同性と結婚してしまう可能性が増え、こういう人たちが産んでいた分の子供がいなくなってしまうわけです。

ただし、世間に合わせて異性と結婚した人たちの中でも、同性のことを忘れられず、アプリで「既婚」として友達(セフレ)を募集している人もよく遭遇します。仕事帰りにハッテン場に通っている人もいるでしょう。全てを押し殺して、ポルノだけで我慢している人もいるかもしれません。

果たしてそれが健全なのでしょうか?
もしパートナーにバレた時、夫婦仲は最悪になることは間違いありません。
離婚してしまうかもしれません。

そんな環境が、子供の成長にとって好ましいでしょうか。これが健全な社会なのでしょうか。
(片親が発育に悪い、ということでは決してありません。私も一時、そのような環境で育った経験があります。)


全体の利益のために、どこまで個人の犠牲を強いるべきか


必ずしも全員、というわけではないとは思いますが、
多くの性的マイノリティの人は好きでその性的指向・恋愛指向になったわけでもなく、自分でコントロールもできません。

そのため同性婚を認めないからといって、異性と結婚させたからといって、ゲイの人が突然異性を好きになることはないのです。

それなのに少子化を理由に同性婚を否定する人はその事実を無視し、当事者の人生や幸せにも気にかけず、社会的圧力で子供を増やすことを望みます。

これについては、「全体の利益のために、どこまで個人の犠牲を強いるべきか」という意識問題が関わってくるのかなと思います。

日本は昔から比較的、和を大事にする、集団主義的な傾向がありました。これは悪いことではなく、これまでの日本の発展に大きく貢献してきたと思いますし、今の(海外と比較しての)治安の良さもこのおかげだと思います。しかし戦時中など、その集団主義が悪い方へと社会を導いてしまう時もありました。

そのような日本の特性から、個人に我慢を強いる論説もある程度受け入れられてしまうのではないかと思います。
これがG7の中でも日本が唯一同性婚を認めない国である理由の一つなのかもしれません。


“同性愛者は生産性がない”は本当か


そもそも同性愛者は、某議員の言うように”生産性”がない(子供を欲しない)のでしょうか?

答えはNoです。

同性と結婚して子供が欲しい、と思う同性愛者にこれまで何人も会ってきましたし、私もそのうちの一人です。

両親がこれまで私を育ててくれたような、賑やかで暖かい家庭を築きたいと夢見ています。子供は最低でも2人、あと犬も欲しいですね。

…そんなことはさておき。
私のように同性愛者でも子供が欲しいと思う人もいるのですから、それなりに環境が整えば同性カップルで子供を産む、もしくは育てるようになると思うのです。
養子や、色々な問題はあると承知していますが、代理母出産などですね。

そういった制度をちゃんと整備することで、これまで子供を諦めていた層も子供を作ることができ、出生率を上げることができるのではないかと私は思います。


理想の社会とは


そもそも理想の社会とは何でしょうか。
人によって答えは違うと思いますが、私にとっては「全員が自分らしく理想の人生を送れる社会」です。

生まれ身分で就ける職業が決まってしまう身分制度を知った時に、私たちは「なんてひどい」と憤るでしょう。女性が外で働けない時代の話を聞いた時に、「それはおかしい」と感じるでしょう。
社会のシステムのせいで、特定の人のやりたい夢が潰される。自由が制限される。そんなのはおかしい、と気付き、声をあげて、人々が奮闘してきたおかげで今の自由を謳歌できる日本があるのだと思っています。

同性婚もその一部です。
自ら進んで同性愛者となったわけではないし生まれつきなのに、愛する相手と結ばれることができない。家庭を持つことができない。それはおかしいよね、と気付いた多くの先進諸国では同性婚を認めるようになりました。

同性婚を認めない人や日本を非難したいわけでは決してありません。
ただ、少しでも多くの人に、同性婚、そして同性愛者に対する誤解を解きたい、と思い執筆しました。

これから日本でも議論が進んでいくかと思いますが、より多くの人が自分らしく生きれる社会になることを祈っています。



普段感じていたことをそのまま文章にしたので、少し乱文になってしまったかもしれません。
社会学者でもジェンダー研究者でもない、ただの20代ゲイ男性(厳密にはもっと複雑なのですが)の意見ですので間違っている部分もあるかと思います。こういう見方もあるんだな、という軽い気持ちで参考にしてもらえればと思います。


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