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「”膝の喜び” 減量で軽やかなステップへ!」

こんちには。てつです!

このノートでは専門学校時代の同級生3人と日々感じたことや勉強したことを発信していくアカウントです。

四年目の経験からお話しすることもあるので何かご意見ありましたらコメント残していただけると嬉しいです。

はじめに

膝関節疾患にはいくつか種類があり、変形性膝関節症・半月板損傷・靭帯損傷・膝蓋骨脱臼などが存在します。これらの危険因子の1つとして
「肥満」が含まれ、読者も周知していることだと思います。

「体重が重いと膝に負担がかかって軟骨の摩耗が起こって炎症に繋がるから減量して下さい!」と患者に説明するセラピストをよく見かけます。

これだけの理解では、減量に至ったところで人間の動作パターンは多様のため、減量前に学習している動作パターンを行うことで、再び膝に炎症反応が起こり、患者の「痛い」という訴えの改善に至らない可能性があります。

それでは、我々セラピストには何が重要か?
私は、肥満で膝にかかる負担のメカニズムを理解した上で、実際のADL場面での膝の負担量を考慮した指導をすることが重要だと思います。

肥満で膝にかかる負担のメカニズムとは?

肥満と骨盤の関係性


写1 肥満と骨盤の関係

写1のように肥満は骨盤前傾型と骨盤後傾型に分かれます。
まずは骨盤前傾型から見ていきましょう!

骨盤前傾型
骨盤の前傾に伴い股関節は屈曲・内転・内旋し、膝関節は伸展・外反・外旋という下降性運動連鎖が起こると言われています。そのため、直立二足立位時や歩行の立脚中期では大腿前面筋の機能的な膝関節伸展を作ることが出来ずロッキング現象を誘発し、靭帯や半月板などの負担に繋がります。

骨盤後傾型
骨盤の後傾に伴い股関節は伸展・外転・外旋、膝関節は屈曲・内反・内旋という下降性運動連鎖が起こると言われてます。そのため、ガニ股となる人が多く多裂筋と股関節内転筋の同時収縮が起こらず膝を曲げたまま歩くことで、質点が膝となり内外側のスラスト現状を誘発し靭帯や半月板などの負担に繋がります。

ADLと膝の負担

体重が1kg増えるごとに膝にかかる負担は2~3kg増えると言われています。
それではADL場面ではどの程度の負担がかかっているのでしょうか?

写2 ADLと膝に加わる力



このように、体重は3㎏増えると歩行時の負担は約7~8㎏、階段降段時には約10㎏増えることになります。

前述したメカニズムを一緒に考えるとなぜ減量指導が勧められるのかよく分かると思います。

おわりに

本稿での内容を理解した上で、実際は生活指導や環境調整、食事指導など様々な側面から指導する必要があります。

少しでも患者の「痛くて歩けない」という訴えに対して一緒に
考えていきましょう!



変形性膝関節症の理学療法と生活指導:嶋田 誠一郎
日常生活動作時の膝関節の負荷:Kutzner I et al.2010

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