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Intermezzo~間奏曲~③大人といういきもの-前編

 音楽の話からは横道に入りますが。
 ピアノの先生の話を書いていたら、ふと、中学三年生の時の担任の先生を思い出しました。

三十数年前、私が通っていた公立の中学校は、市内18校のうち、勉強の偏差値は下から三番目ぐらい。テレビドラマ”三年B組金八先生”が小学生ぐらい?の頃だったので、”校内暴力”が全国的にあった(らしい)時代の少し後、ぐらいの中学生でした。
一時期よりは落ち着いたとは言え、毎年一回ぐらいは、私の通った学校の”事件”を、ニュースや新聞で見ることもありました。
テレビのローカルニュースでは、学校名は出ないものの、見慣れた校門風景が映り、”あら、また…”という具合でした。

在学中のある日、廊下で爆竹が派手に鳴り、なんだろう⁈と思って見たら、先生方がワーっと現場に駆けつけて、実行した生徒グループと、何やら厳しい顔つきで話していたりする。”あぁ、○○君達ねぇ”と、思いつつ遠くから見ていました。
そんな学校だったせいか、大柄な男の先生も、よく木の角棒をもって、廊下を歩いていました。まぁ、威嚇や冗談(?)など、その時によって使い分けていた感じでしょうが、今なら考えられないかもしれませんね。

そんな学校の三年生の時、私のクラスの担任 は、英語担当で女性の Y 先生でした。授業はあまり覚えていませんが、教育熱心で、言葉の奥に熱さというか、力強さを感じ、母親的に自分のクラスの生徒に接している方でした。
L.M.モンゴメリーの「赤毛のアン」に、主人公アンが生涯尊敬する先生として、ミス・ステイシーが登場するのですが、愛情深く生徒を導く雰囲気が、何となくY先生を思い出すのです( Y 先生は、お寺に嫁がれていますので、ミスではありませんが)。
ただ違うのは、ミス・ステイシーより感情の起伏が、かなり分かり易い方だった、という点でしょうか…。

さて、三年生なので、クラスメイトのほとんどは進学の為受験。朝のホームルームでは、3学期に入ると、「○○さん、合格おめでとう!」と、皆の前で先生が発表し、教室の後ろの掲示板に”◇◇高校○○”と、選挙の当選みたいに、合格した学校名と生徒の名が、順に張り出されていきました。
そうかぁ、私もあんな風に言われるんだな、と思いつつ、毎週、合格発表を聞いていました。中には、就職する人も僅かにいましたので、それは、就職おめでとう、になるのです。

ある日の朝、ホームルームで教室に入ってきた Y 先生の顔の形相に、私は、”あ、こりゃ何かあったな”と思い、クラスメイト達も、その空気を感じとっていました。
”起立!礼!おはようございまーす!”
着席した私達は、どんな話が出てくるか、ほんの少し緊張して、先生が発する言葉を待ちました。

…続く…






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