【詩】きみに渡したいもの
Cirさんの「はじめまして」に寄せて
きみは
なんて魔法を使うんだい
目覚めたらさ
僕の部屋は
床がトランポリンになったみたいに
なにもかもひっくり返ってるんだ
おかしいな
昨日までは
角を揃えて取り澄ましていた本たちも
しなやかにハンガーに手を通していた服たちも
僕を静かに見守ってくれていた写真たちも
勝手気ままに転がって
寝そべって
賑やかに笑い声をたてているんだ
おかしいよ
もう
きみの魔法はいたずらが過ぎるんだ
だから
今日だけは
約束を破ってもいいだろう?
だって
この弾けた世界の中で
きみに渡すはずだった
ことばを
見つけ出さなきゃいけないんだから
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