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【詩】疼み火

覗いてはならない
目の奥を見ようとしてはならない

探ってはならない
心に触れようとしてはならない

それは

刹那の交わりと引き換えに
結ばれた誓い

見えたら
熾してしまうだろう

触れたら

その指が
この世界に続く
導火線になるだろう

わたしの中に疼く火を

世界を燃やし尽くしてしまう
青白い炎にしてはならない

この刹那の
奔流に悶えるいとなみの中

わたしの肌を撫でる
吐息の熱こそ
貴方の存在の意味

わたしの中に
疼く火こそ
わたしの存在の意味

赤々と疼く火に

貴方の吐息で
ほろほろと零れ落ちた
肌の欠片を

澱のように
降り積もらせよう

降り積もる
澱の中に
狂おしい熱を埋めよう

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