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この話は前作『17分』の後編にあたります。 暗闇の中に一人。 俺は立ち尽くしていた。 …
俺の周りは今日も騒々しい。 「ホントに可愛いよねっ。莉奈ちゃん」 「もう……兄さん…
新しい教室に響くチョークの音。 皆が見てるのは黒板だけど、私の視界に映るは白いキャ…
「月に代わってお仕置きよ!」 キメ台詞が決まった。 「懐かしいわね~」 「え? このア…
「セミってさ、どうして鳴くか知ってる?」 後ろからそんな声が聞こえてきた。 蝉が鳴…
俺の朝は―― 陽子「お兄ちゃん! 朝だよ。起きて!」 「あと三十分……」 陽子「ダメだ…
今年の夏もそろそろ終わりか。 行き交う人々を見ながらそんなことを思っていた。 「おいおい辛気臭い面してんじゃないよ! 売り手のお前がそんなんじゃお客が逃げちまうじゃねぇかよ」 「う、すんません」 親戚の叔父さんに小突かれた。 (――しかし、こんなもんが売れんのか?) 叔父さんが売っている商品を手に取ってみる。 この令和の時代によく分からないお面やら何やら。 いくらお祭りの出店とはいえ、そう簡単に財布の紐は緩まないだろう。 「さぁ、寄ってらっしゃい!
ループスさんの企画作品です。 企画テーマが「ハッピーエンド禁止」なので、そういう話に…
青いね、と君が言った。 「そうだね」 と返して窓の外へと視線を戻した。 『そうだ…
「なあなあ、早よ乗らんと置いてかれるで」 「ん? ああ、小坂か」 「小坂か……ちゃうわ、…
凪紗たち坂道高校バドミントン部は、エース凪紗の活躍もあり、団体戦二回戦を接戦の末、見事…
全国大会を明後日に控えた最後の練習日。 「凪紗先輩、どうぞ」 「ん、ありがと~!」 …
私は、その試合を生涯忘れることがないだろう。 中学三年生の夏休み。 たまたま姉の…
「はぁ~……先輩、今日もカッコイイなぁ」 屋上に這いつくばる私。双眼鏡越しに見る先輩の姿に口角が吊り上がった。 「――あぅ!?」 視線が重なった――気がして慌てて頭を隠す。 ヤッバ……今、目あったよね? あっちゃったよね? ね? ね? 足をバタバタさせて悶えるも、興奮収まらず。喜びのあまり双眼鏡を抱きしめて転げ回った。 ――ピー、と聞こえてきた笛の音が部活の終了を教えてくれる。 「って、こんな所にいる場合じゃないから!」 パンパン、と制服