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わたくしが ただ わたくしであるといふ ふしぎ


今回
紹介するのは



麒麟の休日

山崎郁子 歌集

***

短歌は とても好きで
自分では あまり 作らないのだが


色々な歌人の歌集を 手にしては 自作のコラージュノートに
好きなウタを 書き留めている


この、山崎郁子さんのウタは
ページをめくる毎に、好きなウタばかりだったので

手元に置いておきたいと思い購入しようとしたら
絶版なのか もう 販売されていなかった


残念だったので
全部のウタを 書き写した 歌集を自分で 作ってしまった


どんなウタがあるかというと



わたくしが ただ わたくしであるといふ ふしぎ
はるの ひかりの さざなみ

銀の驟雨を 駆けてくるひとあらば
わたしは アップルパイを 焼きませう

おばあちゃんの笑顔は おもひだせなくて
すこし 砂糖の かかつた トマト

ディケンズを つつんだ粉雪
彼は黒い 手袋を してゐたのでせうか


アンドロメダ星雲ゆきの彗星に
青いリボンを つけてあげたい


***


乙女チックな少女のような世界観と
たくさん 登場する いきものたち

二度とは戻れない
少女の記憶を 透明なガラス瓶に閉じこめてしまったような
詩性が 眩しい


この歌集には
特に コラージュが似合うと感じて

たくさんのコラージュも
作成した




ほんの一部ではあるが
載せてみた



コラージュも  少女時代にも
未完成の美と 危うく脆い 刹那的な ときの揺らぎが内包されている



そんなことを 想う


******


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