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(SF小説)『荒野.jp』第1話 果てなき荒野
あらすじ
未来の日本。核戦争で荒野と化した東京を、若いカップルがホバー・タンクでさすらうのだが……。
見渡す限り、ガレキの荒野だ。3.0大戦でミサイルの雨を浴びてから、東京はずっとこんな光景だった。
俺はホバー・タンクの砲台の中にいる。タンクの下部で操縦しているのはレノだった。
レノはろくにとかしてないロングヘアをピンクに染めた俺の女だ。俺と同じで30歳を過ぎたばかりである。
「敵ら
(SF小説)『荒野.jp』第2話 襲撃
前と後ろから迫り来る合計10個の赤い点の正体が判明した。やはりドクロ組のホバー・カーだ。
それぞれ2人ずつ乗っており、1人が運転を、もう1人がジャベリンを構えている。
いくらなんでもこれだけの数のジャベリンを撃たれたら、さすがにこのホバー・タンクもエタりそうだ。
俺は砲塔を前方から来る5台のホバー・カーに向けた。
「前から来る5台をしとめる」
俺がそう宣言すると、レノがキャハッと笑った。
(SF小説)『荒野.jp』第3話 西を目指して
レノがホバー・タンクを着陸させた。そして下から上がってくると、俺の体をだきしめた。
「大丈夫? 大丈夫なの?」
「わかってるだろ。大丈夫なわけねえだろう」
俺はつっけんどんに返した。
「そんな事言わないでよ」
レノが、泣いた。全身汗でびっしょりだ。
「ヒロポンを……ネオ・ヒロポンを打ってくれ。痛みがなくなる」
レノはしばしためらったが結局は注射器を持ってきて、麻薬を俺の腕に注入した。砕け