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「生き心地の良い町」この自殺率の低さには理由がある  を読んで

精神科の森川すいめいさんがオススメしていた
「生き心地の良い町」を読んでみた。

元々看護学校の先生をされていた岡檀さんが
ずっと感じていたことを研究してみようと大学院に行って
そこからどうやって研究をしていったか。
4年の歳月をかけて自殺率の低い町の理由を
解き明かしていく。

そんな実話。データに基づいた研究であるから
さらに納得できる。

徳島県の海辺の町。

障害があってもなくても同じ場所にいていい。
いた方が良い。
という考え方。

今、日本では発達障害などのクラスをしっかりと分けて
授業を手厚く行う方向に向かっている。

この町の話を知ると逆だと感じた。

みんな違ってそれでいい。
みんな違うからそれでいい。
上下関係もなく、上に意見を言っても良い世界。
違うからこそ、心地よい。

我慢なんてしなくていい。
嫌なことは嫌とはっきり言える。
そんな町だと感じた。
赤い羽募金が集まらない町。
どこにいくか分からないお金は使わないけど、
町のためのお祭りには大金を使う。

自己肯定感、自己受容が高い人たちが多いと感じる。
周りの目は気にしない。
自分を信用している。
あの人はああいう人だから。
と割り切って近すぎず、遠すぎずの関係を保っている。

他の町ではデイサービスなどを利用すると
「私には勿体ない。こんなことをさせて申し訳ない。」
という言葉がたくさん聞かれるけれど、

海辺の町(元海部町)では、
そんな言葉は聞かれない。
困った時は困った!助けて!
と言える環境がそこにはある。
その方がいい。

私もデイサービスのバイトに行くと
「こんなことさせて悪いね。」とよく言われる。
「順番だよ。私も若い子にしてもらうから、堂々と使ってね。」
と答えるようにしているけど、
頭を下げながら生きている人たちは多い。
そうされると、心苦しくなる。
こっちはお金をもらってやっている。


自殺が悪いことなのか?
自殺も一種の病気ではないのか?

という議論にもなるかもしれないけど、
岡さんは言っている。

「自殺された人を責めません。
ただ、自殺へと傾いていく人を一人でも減らしたい。
自殺へ追い詰められていく原因を探り、対策が立てることができるよう
そのための研究、そのための活動」

であると。
生き心地を良くするには

自己肯定感、自己受容、自分を信じる力

を大切に養う必要があると感じた。

誰でも、自殺したいと思う切符は人生の中で何度も訪れることが
あるのだから。

#読書の秋2022
#生き心地の良い町

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