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記憶に無い記憶の話(2024.2/25の日記)

 久しぶりのアルバイト。夏休みとかの方がもっと長く休んでいる気がするけど、夏休みのアルバイト復帰より忘れていることがたくさんありそうで不安だった。結構頑張ってこなしました。久しぶりを思い出す時間大事。

 昼からのシフトで余裕があったので、朝起きて昨日の続きの本を読み切った。最近早起きをしまくっていたので、すっかり早寝早起きが染みついてしまった。夜22時にはもう布団に入っている。早すぎ。

 今日読み終わったのは一度挫折していた小説だ。この作者本を読むのが初めてだったのと、ストーリーが入り組んでいるのが理由だと思う。今語っているのはいったい誰?となる。これの面白さに気がつくのは、真相が分かり始めるジワジワの中だった。

 自分の経験した出来事が、誰か他者の語りによって補填される感覚がある。自分が経験したことに対して、第三者の言ったことが自分自身の記憶として新たに記憶され、それがあたかも真実のように頭の中に残ることがある。「本当はそうだったかもしれない」という不安や後悔のようなものが、その意識を加速させる気がするのだ。程度は違えど、そういうことが誰にでもあると思う。
 この小説のストーリーは、そういった記憶の塗り重ねに精神科というプロの治療の手を加えられ、何が真実か分からなくなるような構造になっている。主人公の記憶や過去が次第に明らかになっていくのが面白く、不安でハラハラするのだ。
 この小説と対になる小説があるらしい。今度この作者の別の小説を読みたいと思ういいあとがきだった。

 余韻に浸りながらアルバイトに行く準備をし、昨日作ったお弁当を詰めて向かった。バイトの終わりがけにパートさんがケーキをくれた。なんでもない日だったが、嬉しかったのでろうそくを立てた。甘くておいしい。

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