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シネクアノン入門

ロサンジェルスでレストランを経営していたマンフレッド・クランクルは、オハイにある自宅のテラスで腰掛けながら、自分自身で造ったワインを飲むことができたらどんなに素晴らしいだろうかと思案していた。1990年の夕方のことで、彼は結婚して間もなかった。
エリン・マッコイ「ワインの帝王 ロバート・パーカー」より

これまでカルトワインを中心とするアメリカワインをご紹介させていただく中で、もっとも多く登場したのは、Sine Qua Non シネ クア ノンでした。

登場させたワインは、左から、
⚫︎ Thief (1990年)   プロジェクトワイン・今売っているいちばん高いアメリカワイン ($59,999)
⚫︎ ROUSSANNE IS COMING (1993年)   プロジェクトワイン・ LEGSと中身が同じ
⚫︎ LEGS (1993年)   プロジェクトワイン・ ROUSSANNE IS COMINGと中身が同じ
⚫︎ Queen of Spades (1994年)   ファーストヴィンテージ
⚫︎ Queen of Hearts (1995年)   いちばん高いアメリカワイン?! ($96,805 (平均))
⚫︎ Gewürztraminer with No Name (1999年? 2000年?)   2番目に高い販売中のアメリカワイン ($26,620)
⚫︎ The 17th Nail in My Cranium Eleven Confessions Vineyard (2005年)   もっとも長い余韻のアメリカワイン
でした (各々の記事は、下にリンクをつけます。ご興味のある方はご覧ください)。

シネ クア ノンは、ロバート パーカー ワイン アドヴォケイト RP WAからもっとも多く100点を与えられているアメリカワインということだけでなく、話題性があります。

おそらくいちばんの話題性は、熟した果実味に加えて、ラベルを毎年変えていることにあるのだと思います。使用している品種もナパの通常とは異なります(ローヌ種)。それとボトルの形も…。

みなさんはどのような印象を持たれるでしょうか。
ミステリアス...というものかもしれません。それぞれのラベルは何を語っているのか。

ラベルは、オーナー兼ワインメーカーであるManfred Krankl マンフレッド クランクルのお手製です。そのアートだけでもすばらしいものであり、本になっていることも以前ご紹介しました (後日HPでオーダーできることを知りました)。

さらに、以下の地図のとおり、場所はナパとは一線を画しています
これが、日本ではそのすごさがあまり知られていない理由のひとつなのだと思います。

ちなみに、リリース後に高騰する価格をみれば、世界でどれだけシネ クア ノンが人気が高いか一目瞭然であると思います。上の絵で真ん中のボトルは、なんと250倍!!

SQNリリース後の価格
1: Queen of Spades (1994); 2: The 17th Nail in My Cranium Eleven Confessions Vineyard (2005)
: リリース価格; : 販売価格 (2022年3月28日時点 wine-searcherより)

90年代より四半世紀もの間、実にさまざまなシネ クア ノンのワインが誕生しました。ご紹介したものはほんの一部に過ぎませんので、ご興味のある方はぜひ探究されてみてください。
博物館級No.1のアメリカワイン。今後もとてもたのしみです!

次回もシネ クア ノンに少々ふれさせていただき、いよいよ中締めへ移っていきたいと思います。

https://pololifestylemagazinecom.wordpress.com/2017/01/07/exclusive-interview-with-yevgeny-chichvarkin-owner-of-hedonism-wines/より

(Header Photo by Steven Pahel on Unsplash)

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