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主任技術者になるために、造船工学を学ぶ。日本中小型造船工業会で実施している登録講習について

――登録講習について

20トン以上又は15メートル以上(500トン以上50メートル以上を除く)の鋼船を製造、修理する事業者において、必ず1人は「主任技術者」が必要となります。中小造工(略称)では、造船工学を学習(通信制)し、試験に合格することで、「主任技術者」として登録することができる登録講習を実施しています。

――造船工学について

通信教育で『造船工学』を学習します。造船工学と一口で言っても幅が広く、9教科から成り立っています。
船の挙動や推進の性能の理論を学習する『船舶計算』。
船主から提示された仕様に従って船の寸法や性能などの主要目を決める方法を学習する『基本設計』。
厳しい自然環境下にある海を航行するために必要な強度・耐久性等を学習する『構造設計』。
船の建造・修理に関する工事の管理を学習する『工程管理』。
合理的な建造方法を学習する『船体工作法』。
船の行動性や作業性を考慮し、船員の居住の場や貨物の格納の場として相応しい施工方法を学習する『船体艤装』。
スクリュープロペラを介して船を前進・後退させるための、主機関のほか発電機関、補助ボイラ、各種ポンプ、空気圧縮機、油清浄機等主機関と一体のシステムとして動力を発生させたり、船内に電力を供給したりする補機などの機械設備について学習する『機関艤装』。
船の操船や安全航行に欠かせない多種多様な電子機器や発電機、配電器具などの電気設備について学習する『電気艤装』。
船の安全、トン数、日本国籍船の権利、造船の行政手続などに関する法令を学習する『船舶関係法規』。
この9教科を登録講習では造船工学とひとくくりで表現しています。

大学で学ぶところの「工学」ですが中学校・高等学校の「物理」特に「力学」(モーメント・力のつり合い等)の知識と、中学校・高等学校の「数学」、特に等号変形・指数対数・三角関数等の知識があれば楽しみながら学習することができます。
船舶計算の教科で曲面を含む面積を求める微分積分が出てきますが、微分積分を知らなくても、算出方法を理解することによって、その考え方を身につけることができます。

――「主任技術者」登録について

上記の9教科をテキストを読んで学習し、課題提出を終えたのち、最後にスクーリング(授業)と試験があります。
この最終試験で規定の点数を採れば小型船造船業法で定める「主任技術者」として登録することができます。(※一定の実務経験が必要です)
詳しくは当会HPをご覧ください。


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