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日本外食新聞掲載原稿 第55話

第56話が掲載されたので第55話をアップします。
今後どうなるかわからないドキュメンタリー(実話)連載です。


実録!飲食業界のパラダイムシフトに田舎の喫茶店マスターが巻き込まれたとき、現場をこなしながらどのように活路を見出すか。541日目。


年末年始の移動を制限したい政府が、まだ数字的に少ない感染者数より濃厚接触者数で煽るようメディアに指示を出したのは12月中旬のこと。それからわずか2週間で「オミクロン株 市中感染」という言葉を見出しに、感染者数で煽る方向に切り替えた。ただ、この時点ではまだ感染者数は1人とか2人なので、この数字でビビる人は少ないように思われるがポイントはそこではない。感染力の強いオミクロン株の「感染経路を特定できない恐怖」を副材料に「市中感染」という言葉に重みを持たせ、どの経路で感染したか全く分からないことが怖いんだという、「コロナ実害」よりも「感染経路不明」の方に煽る恐怖の対象をずらしたことが今回の一番のポイントだと言えよう。そうすることでたった1人でも、海外渡航経験もなくワクチンもちゃんと2回接種しているごく普通の善良な市民が突然未知のウイルスに侵された、という恐怖のシナリオが出来上がる。そこに北海道で2人、東京で1人、愛知で2人、大阪で3人、京都で3人、福岡で1人、沖縄で2人とたった14人を全国に散りばめるだけで物語は完成だ。日本を感染列島のように恐怖のどん底に突き落とすことに政府はまんまと成功し、情報操作によって見事に国民の意識を変えてしまった。
「未知のウイルスに自分も感染するかもしれない」
「今までより感染力と感染スピードが上がっているのに、どこから襲ってくるかわからない」という恐怖は、重症化するかしないかなんて問題をそっちのけにして一気に膨らんだ。つまりポイントをずらしたことで「今まで以上に気をつけて外出を自粛しないと感染する恐れがあるし、感染したらすぐに特定されて村八分にあうことが目に見えている」と思わせることに成功したのだ。
やるなぁ岸田さん…見た目穏やかなのに、中身は結構エグいのね。
これにより昨年とはまた違う行動様式になりそうな気がする。例えば今までの『まん防』や『緊急事態宣言』では、政府の要請を無視して営業していたお店に客がなだれ込み、大人しく休業していた店舗がバカを見るというようなことが度々起こっていたが、今回は今まで気にしていなかった層、つまり政府にとっては新規客(怖がってくれる人)の取り込みに成功したので、今後もし『まん防』や『緊急事態宣言』が出された場合、昨年のように要請を無視して営業しても客が入らないかもしれないのだ。さらに「今年は開けてても入らないから、要請に従って協力金もらっちゃおっと♪」といって休業してもお役所に「昨年要請を無視して営業してましたよね?証拠は掴んでいるんですよ。今年はお客さん入らないから休業するって?だから協力金くれって?調子こいてんじゃねーよ!」という顛末も大いにあり得る。自業自得といえるかもしれないが、追い詰められたこの状況で国に見放されたら自殺者が増えるんだろうな〜……ん〜いかんともし難い状況が続く。

こんな移動しづらい状況と空気の中、それでもわざわざ遠方から応援に駆けつけてくれる経営者もいた。「あの〜三井さんですか?いつもブログ読んでます!東京で参鶏湯(サムゲタン)メインの居酒屋「鳥一代」をやってる山崎と申します!実はFacebookでも繋がっているんですよ!」「あれ?この店名なんか見覚えありますよ…」「毎日ホワイトボード書いてるんですよ〜」「ああぁ!分かりました!投稿けっこう見てますよ!」会って1分で意気投合できるSNSの時代ってホント不思議なものだ。しかもこのコロナ禍で難しい舵取りを強いられている同じ飲食業界の仲間がわざわざ東京から来てくれたという特別な思いが乗っかるので、会えた感動をさらに強いものにしてくれる。当日は年明け最初の営業日だったこともありバタバタしていてあまり話せなかったが、それでも気持ちはしっかり受け止めた。みんなこのコロナ禍で色々施策を考えるが、世界初のサムゲタン自動販売機の話はめちゃくちゃ気になるなぁ。山崎さん、わざわざありがとうございました。今度は開発裏話を教えてくださいね。次は東京で会いましょう!

年明け早々、沖縄・広島・山口県に『まん延防止等重点措置』の適応が1月9日からと決まった。この時点で愛知県の感染者数は159人とまだ少なかったが大村知事はすぐに会見を開き「愛知県をもう一度【警戒領域】に戻します」と発表した。今回は対応が早いなぁと思ったが、まぁ年末年始で人がだいぶ動いたし、これから一気に感染者数が増えることを考えたら、何かやってる感を出さざるを得ないんだろう。感染者数も重症者数も少ないし、ましてや死亡者なんてゼロなんだから焦る必要はないのだが、今回は感染経路不明の未知のウイルスが急に襲ってくる恐怖をサブリミナル的に年末から刷り込まれているので、大村知事の言葉を重く受け止める善良な市民が多いかもしれないな。ん〜どうなるんだろう。

翌日、予想通り?…いや…予想以上の暇さ加減に驚きを隠せない。
「すげーな、ゼロじゃん…」お昼は15人ほど入ったが夜は見事なまでのノーゲスだった。お店をオープンして13年目になるが1日を通して完全なるノーゲスという日はまだ経験していない。有り難いことにどんなに暇でも最低1日6人は来てくれた。ただ、オープンしたての頃は夜のノーゲスは何回かあったので、12年ぶりに嫌な記憶が蘇る。「俺がこの店に入って初っすね」とスタッフも驚いていた。ポルコロッソを閉店して彼がこの店に移動してきてはや2年。その間ずっとコロナ禍で試行錯誤してきたが、それでも夜のノーゲスは今まで無かったので今回は流石に『今までとは何か違うな』と思わざるを得なかった。
なんでもいいから手を打たないとヤバいと感じた私は、すぐさま北海道の相馬社長に「殻付きの牡蠣を卸してもらえませんか」と連絡した。最近お付き合いを深めている相馬社長が牡蠣の事業に大きくシフトし始めたことと、お店で提供している牡蠣のパスタの評判がいいので、殻付きの生牡蠣があったらもっと喜んでもらえるんじゃないかと考えたのだ。ただ、これでいつも通りの客数に戻るなどとは考えていない。
それより、こういう追い詰められた状況になってくると、やっぱり飲食店の収益構造【利益率の低さ】をもっと根本的に改善していかないと…この状況が続いたらジリ貧で会社が傾いていきかねないなぁと、不安がじわじわ大きくなっていくのを感じていた。丁度そんなタイミングで、私が所属している飲食店経営者会「NAGOMU」に広島・夢笛グループの高橋社長が来て「飲食業のPLの観点から見る未来予測」というセミナーを開催するという話が飛び込んできた。今まさに気になってる案件だ!これは行くしかないでしょ!とセミナーの日が来るのを心待ちにしていた。

2時間のセミナーを簡単に要約すると「個人ではなく組織で動くことで飲食業の未来の景色を変えることができる&売上高よりFLRより重要なのは利益率」ということだった。もう共感しかない。
私も常々考えていることだが、売上100%−(FLR70%+光熱費や雑費20~25%)=残りが利益5~10%という計算方法はもう古くて、今の時代は利益から逆算して売上を考察していくのが妥当だと思う。ある程度の利益を確保するためには当然商品単価も上がってしまうが、ではその商品がその単価で売れるように、納得して買ってもらえるように価値をきちんと伝えることの方が大事なのではないだろうか。
利益率を高くする→高単価を狙っていく→その商品の価値を上げてしっかり伝える→お客様との信頼関係を築く。
2022年は物価が上昇するのに景気は後退する【スタグフレーション】になると言われている。そうなればお客様の財布の紐は固く閉められるし、外食の回数も減るだろう。そんな中、数少ない外食体験を失敗したくない消費者がどのお店で過ごすかを決める時、お店との信頼関係が重要になるはずだ。これからは高単価でも顧客との信頼関係がしっかりできている個性的なお店か、低単価ならシェアを一気に拡大していくようなスピード勝負のチェーン店しか生き残れないだろう。中途半端なお店はこれからさらに厳しくなっていくはずだ。色々な気付きを与えてくれる素晴らしいセミナーだった。高橋社長、ありがとうございました。

セミナー当日の感染者数は1036人、その翌日は1317人と愛知県も順調に数字を伸ばしていた。1週間で約10倍になったことを受け大村知事は14日の会見で「明日15日に『警戒領域』から『厳重警戒』に移行します。もう『まん延防止等重点措置』の要請は時間の問題でしょう」と発表した。かなり切羽詰まった顔色に焦りと動揺が見て取れる。うーん、これはヤバいなぁ…明日からお客さん来るかなぁ…全く読めない。まぁ、考えても仕方がないので、やれることをやるだけだ。明後日はティラミスの2回目のネット販売を予定している。前回は初回販売というアドバンテージも考慮して50個にしたが、今度は流石に50個も売れないだろう…せいぜい30個だな。今回も「完売した」という既成事実が欲しいので確実に売り切らなくてはならない。誰もが下を向いている今だからこそチャレンジすることに意味があるのだ。さぁ、30個絶対に売り切るぞ!!




カフェパルランテ/秘密工房   三井隆義

〒487-0026 愛知県春日井市不二町2-6-7  0568-53-2477

営業時間 12:00~22:00 (ランチ12:00~14:30LO・ディナー17:30~21:00LO)
月曜定休 + 不定休あり(noteで告知します)
P7台(乗り合わせて来てください)

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