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自分軸の作り方#124 許さなくていいと思う。


私は幼い頃から

自分を犠牲にしてでも人に尽くすことの尊さであるとか

どんな罪人であっても、
神様に愛されている存在であること

心の清らかさが大切であることや
罪 というものについて 親から教えられました。


でも、
許しがたいこともあるのです。
今日はそんな話です。


以前も書いたことがありますが
私の父親は慈善事業が好きで
私の小学生の頃
よく、アルコール依存症の男性が 我が家に通って来ていましたし、
住むところがない男性を居候させたりしていました。

(思春期の子どもがいるのに、どうかと思うのですが)

小学生の時、
そのうちの1人の男に押し倒されたことがある、と
以前にも書いたことがありますが
その時私は、小学1年生か2年生でした。

ふいに抱っこされて、
かわいいね
かわいいね
と言われて、
急に上からのしかかってきた体重と
近づいてくる男の顔に
私は凍りつきました。
声も出ない。
体も動かない。

場所は、神様を礼拝する部屋でした。
ザワザワと人の出入りがあって、
そのままその男は私を置いて 立ち去っていき

それからしばらくして その男は我が家から出ていきました。

本当にホッとしました。

でも私は怖すぎて
そのことを、誰にも言えませんでした。



そして数十年が経過して・・・
結婚前に姉に打ち明けました。


だいたいお父さん、ひどすぎるよね!!
女の子が何人もいるのにさ!
ちょっとは考えてほしかったよね!!!と
怒りを吐き出し 父の悪口で盛り上がりました。


あの時、私には血管がすべて閉じるような感覚がありました。
凍りつき現象が起こっていたのです。

もともと私は場面緘黙があり
幼いころ
家族以外の人に声を出すことが苦手でした。

助けて!と言えなかったこと。逃げなかったこと。

なんで私って、こうなんだろう、
なんで声を出せなかったんだろう。

私は私を責めていたように思います。


私に過失はなかったと思うのです。でも
なぜ自分を責めるのでしょう。

何かがあると、自分が悪かったんだと思ってしまう。



「人を許しなさい」「人を愛しなさい」という
実現不可能な掟が私を縛っていたからかもしれません。


そんなこんなで
ちゃんと「あの時は怖かったよ~」と泣けたのは、
ポリヴェーガル理論に出会ってから。

ごく最近の話です。


人を許す ということは美しいことのように見えますが

方法を間違えたり 度を超すと
自分の怒りを押し殺すことにつながります。

結果として
喜びや悲しみや楽しむことなども引き連れて
感じにくくなってしまうのだと思います。

そう、
許し難いことを許す というのは
自分に優しくないことだと思うのです。


感情に蓋をすることについて
解説している本がありました。
日本人の「普通がいい」という国民性からくる心の問題を 
とてもわかりやすく書いてありました。



画像1

この図について、著者の泉谷 閑示氏が他のサイトにも載せていましたので、画像をお借りしました。

画像2

感情を井戸に例えると、
一番上に「怒り」があるそうです。
ちゃんと怒りを怒りとして出さないと
結果的に 喜びや楽しみも感じにくくなり

意欲の低下 体調不良につながったり
なんのために生きてるのかわからない現象が起こるのかなと
思います。

小さな子どもが不快な時に泣き叫ぶのは、
一番上にある「怒り」を吐き出しているからなんですね。
ちゃんと吐きだして、大人に受け止めてもらったら
そのあとに、喜びや楽しみも たっぷりと感じられる。
豊かな人生が広がっていくのでしょう。

泉谷氏は、この記事の中でこう言っています。

「深い怒り」が抑えこまれると、人は精神的に去勢されたような状態に陥り、生きる喜びから遠ざけられてしまう。それだけでなく、理不尽なことや不正をはねのける力を失い、邪悪なものが横行する世の中に加担することにもなってしまうのだ。

全ての人が、今こそ「深い怒り」の意義を見直さなければならないのだ。



怒りがあるということは、健康な証拠です。

怒りを 日常的に押し込めてしまうと 
たまった感情が体調の不調につながるし
急に噴出して
怒り散らしたり、不機嫌をまき散らしてしまって
自分もまわりも 辛くなるのではないでしょうか。


自分の感情を大切にすること。

「人を許す」 という甘美な言葉で
自分の感情を殺すことに、私は反対します。

許せないなら 許さなくてもいい。
怒っている自分から目をそらさずに
大切な自分として 受け止めたいと思うのです。

きちんと怒りを吐き出し、消化したら、
「過去のこと」として、
あの時はつらかったけれど、悲しかったけれど
「今は思い出しても そこまで辛くない。」という状況まで
色褪せてくるんじゃないかと。

「今」を彩り豊かに
楽しむことができる自分になっていけるように 感じています。



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「感情の井戸」に関連する記事です。


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