#115 松茸を存分に楽しんだ夕食
10月のある日、
宅配便で松茸が届いた。
松茸をいただくなんてなかなかないし、
自分で買うこともない貴重な食材。
いそいそと箱を開けると
ふわっと松茸のいい香りが漂った。
芳醇な香り。
ずっとクンクンと嗅いでいたいくらい。
松茸は香りで食べるとはよく言ったものだ。
松茸の扱い方がよくわからず、ネットで調べる。
きのこ類は洗わないほうがいいそうだが、
土がついているので、拭いていく。
傘の部分に軽く水をかけ、
キッチンペーパーで優しく優しく拭いていく。
汚れが取れたら、調理開始。
まずは、松茸ごはんを作る。
松茸ごはんには、傘が開いてない香りが強く残るものが
向いているそうで、開いてないものを使った。
薄い細切りにして、
炊飯器の中で薄口しょうゆと酒と塩を合わせて炊くだけ。
作るのは難しいのかと思ったら、
拍子抜けするくらい簡単。
簡単だけれども、
美味しく食べるために失敗はできない。
丁寧に工程や調味料を確認して、炊飯器のスイッチを入れる。
炊飯器から湯気が上がり、
そろそろ炊き終わりという頃には、もういい香りが立ち始めていた。
炊飯器から炊き上がった音がして、
期待に胸を膨らませて蓋を開けると、
期待を裏切らない炊き上がり。
届いた箱を開けた時の何倍もいい香りが立ち込め、
鼻いっぱいに吸い込む。
ふわぁ〜、、と力が抜けるような幸せ感。
これは、癒し効果もあるね。
部屋中にいい香り。
しゃもじで底からふんわり混ぜて、
お茶碗によそう。
味見した時、少し味が薄いと感じたけれど、
食べていると、このくらいでちょうど良い。
口に入れると、後から松茸の味がくる。
松茸の味を感じるにはこれでいい。
エリンギのような歯応えもあって、とても美味しい。
主人と
「おいしいね。」と味わって食べる。
その日の夕食はせっかくだから少し豪勢にと、
普段我が家ではあまり買わない牛肉を焼いた。
れんこんとにんじんは薄切りにして、
粉末のかつおだしを入れた少量のお湯で湯がいて
うっすら味つけ。
ブロッコリーと水菜と一緒に
ステーキに添えた。
写真がないけれど、
傘が開いたものは、
次の日傘の部分を薄く切ってお吸い物にした。
大きいので、2日分のお吸い物ができて贅沢。
お汁を飲むと、滋味深い味が体にしみ渡る。
やはり少しコリコリした歯応えが心地よくて
おいしい。
軸は、チーズを割くように
手でそーっと縦に割いて、ホイル焼きに。
送って下さった方のオススメはホイル焼きだった。
アルミホイルに割いた松茸の軸を入れて包んで
トースターで焼くだけ。
アルミを開いてそのままお皿にのせる。
すだちを絞り、しょうゆをかけたらたまらなくおいしい。
シンプルで簡単な料理なのにこんなにおいしいとは。
素材の味を存分に楽しめるきのこだ。
貴重な秋のおいしい味覚を楽しめて、
松茸を送って下さった方に感謝。
最近、食材を大事に感謝していただこうという話を
何かで読んだ。
私たちは、
お肉や魚、野菜も生きているものをいただいて食べている。
みんな、なまもの。
もし自分が食材だったとして、
自分の身を雑に扱われたり、傷んで捨てられたりしたら
どうでしょう、という話。
松茸が高価だからと、いつもより丁寧に扱って作ったけれど、
しいたけだってしめじだってエノキだって、
同じ、命。
(動物じゃないからピンときにくいけれど)
冷蔵庫で傷ませてしまうものもある。
冷蔵庫の整理を心がけるようになってから
廃棄するものはほぼなくなってきたけれど、
私たちが元気でいるために、
命を紡いでくれている一つ一つの食べ物に
もっと感謝だなと思った。
「いただきます」って言葉、
深く考えずに食べる時の挨拶に使っていたけど、
作ってくれた人への他に
食べ物に向かっての言葉でもあるのかな。
とにかくすべてに感謝ってことだ。
食べ物がないと
私は生きられないのだから。
🌱お読みいただき、ありがとうございました(^ω^)
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