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凡人のカフェ開業 ~天才のカフェ経営を真似てはいけない~ 開業前①-4

開業前①-4

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紗季が物件をだそうと考えていた場所

代々木上原、中目黒、そして高円寺

の3か所。

それぞれの駅から5分くらいで考えていた。

理由は新宿か渋谷から
それほど時間がかからないことと。
そして駅からそれほど離れていないこと。
それなりに土地勘があること。

第一希望は新宿からでも渋谷からでも
すぐいける代々木上原だったのだが
飲食店物件サイトを調べてみると
駅から徒歩5分以内の物件は
全て坪2万以上で驚く 

坪~万とは物件の判断基準の1つで
1坪当たりの価格を表している

この代々木上原の場合坪2万以上なので
概算で10坪なら20万、
20坪なら40万家賃がかかることになる。

この時紗季が考えていたカフェの坪数は
15坪~20坪なので
代々木上原でカフェを出店すると
30~40万の家賃計算。

カフェのビジネスモデルや初期投資で
使うことができる金額にもよるが
坪20万で家賃40万という数字は
レストランや割烹、
大人数を収容できる居酒屋ならまだしも
カフェをはじめるには
ちょっとリスキーな数字ではある

そこで中目黒、高円寺の物件も調べてみたが
どこも坪2万前後であった。

困った。

困ったぞ。

もっと郊外に行けば家賃は安くなる。
安くはなるのだが
紗季は自分のカフェを
『てらみやサロン』のメンバーに
カフェ利用はもちろん
イベントを開催で使ってほしかった。

その場合あまりに郊外になると
サロンメンバーが来にくくなってしまう

となると候補地変えずに
駅からの距離と家賃のバランスを
考えながら紗季のカフェが
実現できそうな場所を探すしかない

そもそも物件の値段を
WEBでちょっと調べただけで
諦めてどうする

『ASAmeshi』の勝山CEOに
現場に行くこと
現場で体験すること
現場を感じることの重要さを
何度も何度も教わったたじゃないか

とりあえず、
いったんそれぞれの立地に行ってみよう

そう決めた紗季はそれと同時に
『てらみやサロン』のチャットメンバーやTwitterで
代々木上原、中目黒、高円寺で
飲食店物件の情報が無いか投げてみる。

いくつかの情報は入るも
あまり変わり映えしないものが多い中
サロン主催の『宮畑ありす』から
メッセージが入った

『高円寺に来るときお茶しない?
紹介したい人がいるんだけど』

ありすは『PhotoBazz』で働きながら
てらみやサロン主催をしつつ
他の副業を2つしている

そのうちの1つが『カフェ運営』

神楽坂・飯田橋に2014年にオープンした
mignardises(ミニャルディーズ)
mignardises petit(ミニャルディーズ・プティ)
の2店舗のオーナーだ。

と言ってもありすがカフェで働いてはいない

ありす他3人、計4人と出資をしている立場
複数のオーナーの一人

オープン時こそ開店半年で
お店を畳もうかと考えるほど
厳しかったらしいが、今では
お店の売上のみで店長以外に
社員を2人雇えるほどの
黒字経営をしているのだ。

もちろんOKの返事をする


そんなありすが紹介してくる人って誰だろう?


2015/6/18 Thu. pm7:40 

紗季の平日の仕事終わりで高円寺にいた

本当は6:30には高円寺について
物件を探して歩くつもりだったが
仕事が伸びて駅着いたのは
ありすとの待ち合わせ時間のを
10分オーバーしていた。

そこから急いで指定された
『流星の光』の扉をくぐる

ありすが紗季を見つけて
こっちこっちというように手招く

と同時に紗季の横にいる男性が立ち上がる

40代くらいだろうか
紺のポロシャツにからし色の細めのチノパン
髪は短く刈り揃えられいる

一見痩せているようにも見えるが
タイトな服装の下にしなやかな筋肉があるのが見て取れる
と同時に妙に落ち着いている感があるので
隣にいるありすと親子と言われてもおかしくない

その男性は慣れた感じで笑顔を作ると
ありすが紹介するのを待たずに

『初めまして 山下文七です』

と名乗った。

後の『SAKIcafe』
そして本条香苗の『Bsaison』
の大家さんになる人である。

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