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風向き日誌

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過ぎた日を遡ったり、 今日のフレッシュな出来事を綴ってみたり、 どちら向きに風が吹くかわからない 日記のようなエッセイのようなものです。
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#猫

ヤナギさんを見送る。

ヤナギさんを見送る。

「ヤナギさんの呼吸が止まっているようです。」
お義母さんからのメールに旦那さんが気づいたのは、夕方6時過ぎのことでした。

2人で旦那さんの実家に急ぎ、今にも動き出しそうなヤナギさんの身体に触れました。
手足はもちろんのこと、胸元もお顔も額も
一瞬びっくりして手を引いてしまうくらいに冷え切っており、
息を引き取っていることは明らかでした。

夕方4時半頃に夕食の支度をしていたお義母さんが見た時は、

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ヤナギさんのこと。

ヤナギさんのこと。

ヤナギさんは、元は旦那さんの猫。
今は旦那さんの実家で世話をしてもらっている。
現在18歳(人間だったら90歳くらい?)の
アメリカンショートヘアとスコテッシュフォールドのミックス猫の女の子。

旦那さんが21歳くらいの時
たまたま知人の家で猫の出産に居合わせて、
その時に生まれた4匹のうちの1匹を譲り受け、
しばらくの間は東京のマンションで1人と1匹で暮らしていた。

その後、旦那さんの実家に一

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猫のいる生活。

猫のいる生活。

猫との暮らしから離れて、すでに10年。

住空間に「猫がいる」という幸せを、
どんなに願ったことだろう。

視線のどこかに猫がいて、
とろとろと時間の流れる和やかさ。

リズミカルな足音で駆け下りてくる
小さな階段の物音。

ふと振り向くと、
尻尾を体に巻きつけるようにちょこんと座って「にゃ」とかすかな声で鳴く。

普段外で働いている私にとって、
猫のいる生活を楽しむ美しい時間だった。

愛する彼

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