「きのう、何読んだ?」2024/7/28(日)〜8/1(木)
仙台に帰省。2泊3日はのんびりと、たくさん本を読んで過ごしました。野菜たっぷりの食事をとって、なんだか健康になったような…錯覚かしら。高校時代からの友人とも酸欠になるくらい喋った。
『メトロポリタン美術館と警備員の私』2024/7/27(月)
「きのう、何読んだ?」
仙台に帰省していた週末。実家というのはなんて読書に向いているんだと感動しながら、七冊くらい読みました。その中でも特に印象的だったのがこちら。読み終わった瞬間、「素晴らしい!」と声が出てしまい、両親がギョッとしていました😂
『メトロポリタン美術館と警備員の私』(パトリック・ブリングリー著、山田美明訳/晶文社)
兄が病を得て26歳で亡くなった後、弟が向かったのは世界の美が集まる場所でしたーーー。
肉親を亡くした喪失感を抱えたまま、美しい場所で単調な仕事をすることを選んだ著者によるドキュメンタリー。アート・美が人の心にどう作用するか、美術館の成り立ちや味わい方、美術館で働く人・訪れる人たちの交流について。「あぁ、アートっていいなぁ」としみじみ思わされる素敵な一冊です。読んだらきっと、次の週末は美術館に行きたいと思うはず。
心の傷には、アートが放つエネルギーや癒し、美術館という場がもたらすものが効くこともあるのだと思います。仕事で疲労困憊していた時期に(いつも?)、出張ついでに倉敷の大原美術館を訪れた時に感じた心の震えを思い出しました。そういえば原田マハさんの「楽園のカンヴァス」の冒頭に、主人公の女性(大原美術館の監視員)が、純粋にアートと向き合っている職業はもしかしたら美術館の監視員かも…という趣旨のことを自問自答している箇所がありますね。
美術館好きの人、きっと後悔しない一冊です。ぜひ手に取ってみて欲しいです📚
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『六十代は着物に誘われて』2024/7/29(月)読んだ本
「きのう、何読んだ?」
今週の東京はとりわけ暑いですね💦
私は夏が大の苦手。現実逃避なのか、心はすでに秋に飛び立っております。さぁ、涼しくなったらどんな風に着物を着ようかなぁ……。
まだ新しい浴衣に袖を通していない、いやいや受け取ってすらいないのに、気が早いにも程がありますね😂でも仕方ないんです。これ読んじゃったらもう頭の中は着物のことでいっぱいなのです!(あー、こりゃ仕事からの逃避もあるな
『六〇代は、きものに誘われて (〈オトナのための「なりたいわたし」へ 〉)』(三砂ちづる/亜紀書房)
40代の半ばから着物生活を始めたという三砂さん。津田塾大学の教授として、毎日着物を着て教壇に立っているそうです。そんな先生がいたらつきまとっちゃうな!
三砂さんの着物ライフを綴った『きものは、からだにとてもいい』が大好きで、その続編のようなこちらもわくわくしながら読みました。三砂さんの着物エッセイは、ギラギラした執着とか願望とかとはちょっと違ってとても自然で気持ち良さそうで、なんとも素敵なんですよねぇ🥰(ギラギラ着物エッセィ好きだけどね!)
今回印象的だったのは、三砂さんの沖縄への憧れ。お父さんが沖縄で働いていたことがあったり、三砂さん自身も琉球大学で研究していた時期があったりと、縁が深い土地。そしてとうとう移住に踏み切る三砂さん。
沖縄といえば、芭蕉布やミンサー織や琉球絣など、着物との縁が深いですよね。(私もミンサー織の半幅帯持ってる😆)
ずっと憧れ続けていたという「うしんちーの着物」(帯をつけない着方)を仕立てて、盛夏の東京で南青山のレストランに出かけたシーンでは、涼しげな装いで教え子と向かい合って座る三砂さんの姿が浮かんで、「あぁ、着物ってほんとに素敵だなぁ…私も自分らしく着物を着たい」としみじみと。
さーて今週末は、次の着物のことを女将さんに相談しに行こうかな♪
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『休むヒント。』2024/7/31(水)読んだ本
「きのう、何読んだ?」
「休みなよ、と言われても。」
ほんとそれねって苦笑いとため息が口からこぼれ出ちゃう。休みなよって言われても、だよ。
ストレス耐性は同じ世界にいる人の中では多分低めで、自分を追い詰めきれない性格なので、本当に苦しくなる手前で足を止めてしまう私です。人文書もビジネス書もたっぷり読むので、もっと休もう・バランスを取ろう・メンタル守ろうという論調をシャワーのように浴びて、ほんとそうだよねぇ辛い時は休まないとねそういう社会を作っていこ👍みたいな気持ちになることも多々。
でもね。私だって現実のことはよーく分かっているのです。
現実社会で休む人は、「正気か?」と二度見されるのです。
「あなたのその“お休み”、サボりと何が違うのかエビデンス付きで証明して?なる早で」と会議室で詰められるんです。いいんだいいんだそういうの気にしないで生きていくんだと思い込もうとしても、「頭おかしくなった?」という視線に刺されて出血多量になることもあるんです。こんな恥ずかしい目に遭うくらいなら、倒れるまで頑張って名誉の討死を遂げた方がいいんじゃ…(ブルブル🥶
ということを考えながら、『休むヒント。』(群像編集部編/講談社)を楽しく読みました。
売れっ子の作家さん、評論家さん、エッセイストさん、漫画家さん…34人が、「休み方」をテーマに寄稿したものをまとめた一冊。文芸評論家の三宅香帆さんも激推ししてて、「出てくる人だーれも休んでないんです!」って言ってたけどほんとその通り😂
休むことって、分解すると結構複雑で難しい判断の積み重ね。そして、他者のものさしを気にしすぎない強いメンタルがないとできないことなのかも。そんな重たい「休むということ」、頭と心が死ぬ手前で休めないとワークしませんね、やっぱり。
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『小説家という職業』2024/8/1(木)読んだ本
「きのう、何読んだ?」
平日の数少ない楽しみは昼食休憩。それすらとれないと小さく凹む…。残業が伸びることになったとしても、昼の休憩はちゃんととりたい派閥です。
お昼ご飯を食べた後本屋さんまで行けたら万々歳なのですが、職場最寄りの書店が今月から改築のため休業するそうで…😳張り紙の前に立ちすくむ私は分かりやすく「ガーーン」という効果音が頭の上に飛んでおりました。(ガラス越しに見えた
そんな「ガーーン」状態のまま読んでいたのがこちら。作家の森博嗣さんが小説家という職業について独自の視点で書いた新書です。
『小説家という職業』(森博嗣/集英社)
先日直木賞の候補になった岩井圭也さんのnoteで、森博嗣さんの『作家の収支』が小説家としてのバイブルだと書いているのを読みました。(岩井圭也さんのnote好き)それを先に読んで、次がこちら。森博嗣さん、相変わらずクールです。ザ理系の先生というパブリックイメージを崩しませんね。いや、これは森さんの個性だな。
創作を始めた理由は「お金を稼ぐため」で、そのことを前提に置いて執筆していると明解に書いている森さん。全ての行動パターン、信条が一本筋が通っていて、甘えがない。好き嫌いの前に、読んでいて気持ちいい。私もこんな風に仕事できたらいいのにと思います。
作家の作家論って色々ありますが、例えば村上春樹さんの『職業としての小説家』ともスティーブン・キングの『書くことについて』とも山田詠美さんの『私のことだま漂流記』とも違う。作家ってほんと人それぞれな仕事なのね。
今のへなへなな私にはtoo coolな内容でしたが、「自由は自分で作るしかない」というメッセージが一番グッときたかな。私の自由は私が作ります。
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