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バスケのW杯について簡単解説

 前回のnoteでは、エヴァンス ルークが日本代表候補に選出されたことを記念して日本代表についての簡単解説をしてみましたが、今回はその第2弾としてバスケのワールドカップ(W杯)の仕組みについて簡単に説明してみたいと思います。
 日本代表を応援するときのプチ情報として頭に入れておくと、何かいいことがあるかもしれません(ないかもしれません)。
 今回も何かおかしいところがありましたら、優しく教えていただけると泣いて喜びます。

 ↓前回のnoteはコチラ↓

FIBA バスケットボールワールドカップ 2023って何?

 FIBA(国際バスケットボール連盟)が主催する4年に1度の国際大会で、開催国1ヵ国と、各大陸における予選を勝ち抜いた31ヵ国の計32ヵ国で優勝が争われます。
 31ヵ国の内訳は、アメリカ地区予選(北中米アメリカ)から7ヵ国、アフリカ地区予選(アフリカ)から5ヵ国、ヨーロッパ地区予選(ヨーロッパ)から12ヵ国、アジア地区予選(アジア・オセアニア)から8ヵ国となっています。
 2023年大会はフィリピン、日本、インドネシアの3ヵ国共催となっており、日本では琉球ゴールデンキングスのホームでもある沖縄アリーナでグループリーグが開催されます。

 前回大会(2019年)は中国で開催され、日本も出場しましたが、本大会では5試合で1勝も挙げることができず参加32ヵ国中31位という結果でした。世界の壁は厚い。
 ちなみに、2010年大会まではワールドカップという名称ではなくバスケットボール世界選手権という名称でした。2006年には日本でも開催されているため、こちらの方が馴染みがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

どうしたらワールドカップの本大会に出場できるの?

 結論から言うと、日本はすでに出場が確定しています。
 前述した通り今回の大会は日本も共催として参加しており、例外的にアジア・オセアニアの8ヵ国のうち1枠が開催国枠として確保されています。
 ちなみに、共催国であるフィリピンはアジア・オセアニアの8ヵ国とは別で開催国枠が認められており、インドネシアはこれから行われるアジアカップの成績次第で開催国枠を認めるかどうか判断されることになっています。東京オリンピックのときの日本と似たような立場ですね。
 インドネシアに開催国枠が認められた場合、アジア地区予選で出場権を獲得できる国の数は6ヵ国となり、認められなかった場合には7ヵ国となります。

アジア地区予選の仕組みは?

 まず、参加16ヵ国を4ヵ国ずつのグループに分けてリーグ戦を行います(1次ラウンド)。今回、ルークが選出されたのはこの1次ラウンドのうち2試合分(Window1)の予備登録選手です。
 その上位3ヵ国が別のグループの上位3ヵ国と合流して6ヵ国によるグループを形成し、さらにリーグ戦を行います(2次ラウンド)
 そして、この2次ラウンドで上位となった国から順に出場権が割り当てられます。

 日本は、1次ラウンドで中国、オーストラリア、台湾と同じ組となっています。ただし、日本(とフィリピン)については、開催国枠が認められている関係で、1次ラウンドの成績に関わらず自動的に2次ラウンドに進出できることになっています。
 前回大会では、日本もこのアジア地区予選を勝ち抜いて本大会の出場権を獲得しました。八村塁とニック・ファジーカスが合流してオーストラリアに勝利したのもこのアジア地区予選での出来事でした。

 アジア地区予選の公式サイトによる説明は以下の通りです。自動翻訳っぽいので日本語がちょっと怪しいです(笑)

予選の予備登録はワールドカップ本大会に何か影響するの?

 しません。予選の予備登録とワールドカップ本大会とは何の関係もなく、極端な話すべての選手を入れ替えても問題ありません。それどころか、アジア地区予選の1次ラウンドや2次ラウンドは「Window」と呼ばれる期間に分けて開催されることになっており、別のWindowであれば予備登録する選手も変更可能です。
 今回、エヴァンス ルークが選出されたのはあくまでも「Window1」の2試合分の予備登録選手としてであり、次のWindowでは選出されない可能性も十分にあります。

オリンピックとの違いは?

 まず違うのは、出場できるチーム(国)の数です。オリンピックに出場できるのが12ヵ国なのに対し、ワールドカップは32ヵ国となっています。
 ワールドカップでは、まず最初に32ヵ国を4ヵ国ずつに分けたリーグ戦(1次ラウンド)を行い、その上位2ヵ国が別のグループの上位2ヵ国と合流してさらにリーグ戦を行います(2次ラウンド)。そして、その2次ラウンドの上位2ヵ国(4グループの計8ヵ国)で決勝トーナメントを行います。

 また、オリンピックでは順位決定戦は3位決定戦のみですが、ワールドカップでは1次ラウンドで敗退したチームにも順位決定戦があるというのも違いの1つです。このため、ワールドカップでは全チームが最低でも5試合を行うことになります。
 ワールドカップはオリンピックよりも出場できるチーム数が多いと言いましたが、それによってチーム間のレベル差が大きくなって面白みに欠けるか、と言われると必ずしもそうではありません。順位決定戦の存在もあってレベルが拮抗したチーム同士の対戦が組まれやすくなるため、見応えのある試合が多くなるのもワールドカップの特徴だと思います。
 このためワールドカップは、優勝候補となる強豪国のファンはもちろん、優勝は難しい国のファンであっても最後まで楽しめる大会だといえるのではないでしょうか。

オリンピックの予選も兼ねているって聞いたことがあるけど?

 はい、ワールドカップは、オリンピックの予選を兼ねているというのも特徴の1つです。
 オリンピックでは大陸ごとに1枠または2枠の出場権が設定されていますが、その出場権はこのワールドカップの順位を元に割り振られます。日本に関して言うと、ワールドカップに参加しているアジアの国の中で最上位になれば、オリンピックの出場権を得られることになります。

 なお、このワールドカップでオリンピックの出場権を得られなかったチームは、大陸をまたいで行われる世界最終予選で最後の4枠を争うことになります。
 ちなみに、東京オリンピックの世界最終予選では、アジアから参加した国(中国、韓国、フィリピン)は何れも全敗となっています。それだけ大陸間にはレベルの差があるということであり、オリンピックの出場権を得るためには、このワールドカップで少しでもいい成績を残すことが重要だということがよくわかりますね。

最後に

 以上、ワールドカップとその地区予選、そしてオリンピックとの関係について簡単に説明してみました。

 前回のnoteでも書いたように、バスケの国際大会に関しては、一部では『ワールドカップ<オリンピック』という認識もあるように思います。
 しかし、どちらも世界最高峰の最重要大会であることは間違いありません。それに、仮にオリンピックの方が価値のある大会だったとしても、その出場権のかかったワールドカップが重要でないということはあり得ません。(その点、前回のnoteの記載は不正確だったかもしれません)
 また、FIBA(国際バスケットボール連盟)からすれば、IOC(国際オリンピック委員会)が主催するオリンピックよりも、自ら主催するワールドカップをより価値のある大会にしたいという思惑もあるでしょう。
 日本にとってもせっかく開催国となるわけですから、ワールドカップが盛り上がってくれるに越したことはありませんね。

 ということで、ワールドカップ本大会はまだ先ではありますが、アジア地区予選の段階からみんなで話題にして、メディアにも注目してもらって、日本のバスケ熱をもっと高めていきましょう!!

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(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))


(そしたらルークが所属するFE名古屋の人気もうなぎ登りだ!…おっと本音が)

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