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祭りのない夏

今年、僕の住む町では祭りの中止が決まりました。

こんなことは生まれて初めてのことです。


僕は根っからの祭り好きというわけではなく、むしろあぁいう熱い雰囲気には気後れしてしまうタイプなんですが、それでもやっぱり祭りのない夏というのはどこかさみしい気持ちになってしまいます。


どこの地域にも祭りになると血が騒ぐって人いますよね。

いわゆる「祭りバカ」と言われる人たち。

例外なく僕の周りにもいて、普段はおとなしいのにいざ祭りとなると人が変わったように積極的になる人がいます。

祭りの期間中は仕事を休んで3日間祭り漬けなんて人も。


そういう人って小さい頃から親に連れられて祭りに行ったり神輿を担いだりしてたみたいですね。

もう身体に染みついているといった感じがします。


そういうのってちょっと羨ましかったりするんですよね。


僕のうちは昔からそういったことがなく、親父も神輿を担ぐような人ではありませんでした。

まぁ、仕事柄飲食業なんで祭りの日は店が忙しいので当然ですけど。


親父がハッピを着たり、神輿を担いでるところなんて写真でも見たことがありません。

だから「祭りといえば」とか「男なら神輿を」的なマインドがうちにはないんです。


僕も東京から帰ってきたときにすぐに神輿を担げば良かったんですよね。

でもなんか今更感があって遠慮しちゃったんです。

そのうち出るに出れなくなり、今では特に出たいとも思わなくなり…


別に周りからも「なんで出ないの?」とか、「一緒に出ようよ」とも誘われませんので特に問題もないんですけどね。


そんな僕の町では今日から3日間、大祭りと言われる夏祭りが開催される予定でした。


でも今年は町の中に虚しく祭りの旗が並び、提灯が飾られているだけになってしまいました。


春からあらゆる行事やイベントが軒並み中止となり、せっかくの夏休みも自粛自粛で子供たちは旅行はおろか、友達にの家にも遊びに行けない状況が続きとてもかわいそうです。

あげく祭りまで中止だなんて…


こういった年間行事や季節ごとのイベントって経済活動以上に大切なものだったりしますよね。

四季が豊かな日本では折々の祭りがあり、そこではたくさんの笑顔が見られるはずでした。

誰のせいでもないことはわかっていてもどこか気持ちの晴れない日が、いつまでということもなく続くのはやはりストレスです。


五穀豊穣を願い、疫病退散を願う。

それこそが祭りや花火の本来の役割です。


神社から神様があらわれ、偉大な力によって災厄や穢れを清めるといわれています。

神輿はその神様が乗る乗り物なんだそうです。


その祭りが中止となっては神様も出てこれないのではないかと心配です。

祭りは中止でもどうか神様だけはお見えになっていただきたい。

そう切に思う夏の終わり…


どうか、どうか早く終息に向かいますように。

願いを込めて。



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