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メールの書き出しは?

日本人に向けたメールでは相手の名前に加え、
まず時候のあいさつを添えたり、「お世話に
なっております」のようなあいさつから始まる
ことが多いのではないかと思います。

では外国人に対してメールを書くときも同じ
でしょうか? まず相手の名前を「Dear〜」で
書いて、それから「How are you?」ですか?

あるいはそんなあいさつも抜き、名前も入れず
にいきなり用件から入るでしょうか。

これまでの経験では、「あいさつアリ」と
「あいさつナシ」の両方のパターンがあります。

いきなり私の名前もなく、用件だけがさらっと
2行ぐらいで書いてあるだけのメールを受け取ったときは「こいつ、なんか嫌なヤツ!」と無意識に感じてしまった記憶があります。

こうした違いがあるのは、仕事相手や仕事仲間
と関係をつくったり、それを維持する上で、
何に重きを置くかの違いがあるからです。

いいかえれば、
仕事相手との人間的、感情的なつながりを重視
する人と、仕事上のパフォーマンスをより重視
する人がいる
ということです。

相手との感情的なつながりも、相手の仕事に
対するパフォーマンスも両方大事という人が多いと思いますが、これまで読んできた文献によれば国や地域によって考え方は違います。

ここヨルダンでは相手との人間的なやりとりが
必須です。メールだけでなく、電話やLine、WhatsAppでのやり取りにも必ずあいさつを
入れてきます。

以下は私とヨルダン人の同僚がWhatsAppで
やりとりしたメッセージですが、あいさつが
とても大事であることがわかります(左側が
相手からのメッセージ、右側が私の送った
メッセージ)。

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あいさつばかりですよね?
メールでも、相手の名前のあとの一文目は
「I hope this finds you very well.」が
とても多いです。

ここヨルダンでもそうですが中東や南米、アジア圏では仕事相手との人間的、感情的な結びつきが大事と考える人が多いようです。

だから上の例のように、「あなたのことは
もちろん、家族のことまで私は気にしてます」
「あなたは私にとって大事な人ですよ~」
ということを示していかなければなりません。

人間的、感情的な結びつきを重視する外国人に
対して、ただ単に仕事の用件を伝えたり、何かの指示を送るだけ、というのは相手に「失礼」な
印象しか植え付けられません。あげく、相手との関係がうまく作れず仕事に支障をきたすこともありますし、少なくともお互いが満足のいく仕事はできないのではないかと思います。

なぜなら、そうした人達は人間的、感情的な結びつきがあってこそ相手への信頼感をもつようになりますし、その信頼があってはじめて仕事を円滑に進められると考えるからです。

一方、そうした人間的、感情的な結びつきを仕事に持ち込まない人達もたくさんいます。個人的な感覚では北米やドイツ周辺の国々の人からの
メールは「用件のみ」ということが多いように
思います。あいさつがあっても「Hi」の2文字
だけだったりします。

こうした人達には「仕事に私情をはさむことは
プロフェッショナルではない」という考えが
あり、相手との信頼関係をつくっていく上でも
あくまで相手の仕事の出来栄えやパフォーマンスだけを見ています。

相手のその日の調子具合、家族の状態、
いいやつか、悪いやつかはどうでもいい、
あくまでちゃんと仕事できるか、できないか
が大事なのです。

そういった人に「家族は元気ですか~?」なんてメールで送ったところで何の意味もありません。

「なんだこいつは?プライベートのことなんか
持ち出しやがって」と思われるのがオチで、相手に近づくどころか、かえって仕事相手として
遠ざけられたり疎んじられてしまいます。

いずれにせよ、外国人とメールやメッセージの
やりとりするときは、相手のやり方に合わせて
しまうのが一番楽ちん、かつ有効だと思います。

メールの挨拶のやり取りを見るだけで相手が
どんなことをこちらに期待しているかもわかり
ます。こちらとの人間的なつながりも大事なのか、あるいは仕事だけしっかりしていればいいのか、見極めて対応してきましょう。