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Abdで対話する「こころの世界」①~男・女・こども・家族・社会~

 「男」「女」「こども」「家族」「社会」に関する書籍をテーマに、「こころ」について考える、読書会を行いました。

 ファシリテーターからの方法と書籍の紹介をし、参加者が読みたい本を選び、電子版の試し読みをサマライズするところから会が始まりました。今回は、4つの本のイントロ部分だけを読んで「こころ」をテーマに対話しました。使用した書籍 「空気と世間(鴻上尚史著)」「子育てで一番大切なこと 愛着形成と発達障害(杉山登志郎著)」「毒婦たち: 東電OLと木嶋佳苗のあいだ(上野 千鶴子,信田 さよ子,北原 みのり著)「男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋(湯山玲子著)」

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 「こころの世界」は、よく個人の問題に還元されがちです。しかし実際は様々な要因によって、規定されたり制約されたりします。その中でまず大きな要因は、わたしたちが「男」だったり「女」だったりすること(あるいはもはやこの分け方もナンセンスなのかもしれません)。しかし、私たちは、これらの制約から全く自由でいられるというわけではありません。そしてそれらの制約は深く社会と結びついています。さらに私たちの育ち方(つまり、子どもだったの自分と家族との関係。あるいは今の家族と子どもとの関係)にも深く起因しています。

 自己責任論(努力主義)が唱えられることが多い中で、そういったマクロな視点から私たちは抜け出さなければならないと感じます。一人一人には複雑に絡み合った物語があり、私たちが自分のことを自分で責任を負うことができるためには多くの条件が存在するからです。そもそも、完全に自分のことを自分で責任を負うことができるひとなどいないと思います。私たちは一人では他者の中に立つことすらできないからです(他者がいないので)。

 対話では、こういった様々な視点に立ってみることで、一筋縄ではいかない私たちの「こころの世界」が少しずつ明らかになってきました。

(2020年4月12日)


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