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176日目(すべて思い通りになる子育て)

なんてものは存在しないというお話。詳細はこちらに譲るとして、河合隼雄さんの本で、「子育ては自己実現だ」と書かれているのを講演の後に見つけた。自己というのは自我も無意識もひっくるめた自分で、自分がやりたいことを思い通りにするというのは自己実現ではなく、自我実現である。自己実現は、思い通りにならないもの全てを通して自分というものを考えていくことを言うそうだ。だから死ぬまで終わらない。特に子育ては、思い通りにならないことが多い。我が家の姉妹は自我が強く、どう折り合いをつけていくか、毎日のように考え、悩む。だからこそ自分というものが豊かになると考えると、子育ての意味が見出せるかもしれない。
鬼滅の刃の終盤で鬼舞辻無惨が「わたしを自然災害だと思え」みたいなことを言うが、炭治郎が最終的に鬼(愈史郎)を残したところが興味深い。登場人物は自我実現ではなく自己実現の最中である。無惨が最後、赤ん坊の姿になるのも、まさに自己実現の途中だからだ。
考えてみたら、私たちの多くはなぜ子どもやパートナーが欲しい(象徴的な意味も含めて)と思うのだろう。それは自我実現に何か物足りなさを感じるからではないか。我が家の無惨様は今日も自由に振る舞う。わたしはそれに振り回されながらも何とか毎日過ごしていて、それはそれで悪くないのだということを、少し思い出させてくれた。

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