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姉妹の関係

ある長女の水泳教室の日。水泳教室には、義母が連れて行ってくれる。

義母が迎えに来てくれたとき、長女はまだお昼寝中だった。
寝起きの良さに定評のある長女だが、起こしたらぐずり始めてしまった。
こうなると何も言わずに抱きしめて静まるのを待つしかないのでそうしていると、義母は長女の泣き声で目覚めた次女を構い始めた。

「次女ちゃんいい子ねーかわいいねー。」
「そうそう、次女ちゃんの服を買ってきたの。今バーゲンだから。」

長女と次女を比べる意図は義母にはない。手持無沙汰だから次女を構っただけである。

でも、長女には「長女ちゃんはぐずっていていい子じゃない。次女ちゃんは静かにしていていい子。お洋服あげるわ。」と聞こえたと思う。

長女は義母に向かって「うわぅ!」と吠えた。まるで動物のように。そしてわんわんとさらに声を大きくして泣く。

少しして話せるくらいに落ち着いてきたとき、「プールにはママも一緒に行く。」と断言。

長女と2人になったときにこっそり、「おばあちゃんが、次女ちゃんのほうがいい子って言ったみたいに聞こえた?」と尋ねると長女はうん、とうなずいた。
「大丈夫、そんなことないよ。おばあちゃんもそんなこと思ってないよ。あなたは世界一いい子だよ。」と言って抱きしめておいた。

水泳教室まではぐずり続けていたが、終わってみるとけろりと元気になった。

次女が生まれてから、長女はとても次女を可愛がっている。
夫婦で話し合って、なるべく長女優先にしているつもりで、その成果かもしれないと思っている。
でも、子どもって繊細なんだなあ。

私も長子で、弟妹を羨ましく思っていた。
弟や妹は、上を見てうまく立ち回るし、私なら怒られたはずのことをしても怒られない。

自分が親になると、「これは怒る必要がなかった」と反省することが多くて、下の子になるほどおおらかになる親の気持ちも分かるようになった。

それでも、子どもたちが赤ちゃんのときの「なんにもできないのに生きてるだけで可愛い!」という気持ちは忘れたくないし、言葉にして伝え続けたいと思う。


次女出産前に、下の子はただ可愛いだけだよ、と何度か聞いた。
なるほど確かに可愛いのだけれど、我が家の下の子は、上の子がしなかったようないたずらを繰り返す怪獣だった!怒るべきか否かとか考える間もなく、ただ追いかけまわして危険をさけるだけでせいいっぱい。

まあいっか、そのうち落ち着くでしょ、と思えるのは上の子のおかげ。
2人とも生きてるだけで可愛いよ。
おおらかに子育てしたい。

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