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公務員からフリーランスwebデザイナーへ。“安定”から踏み出せた理由とは

公務員や銀行員、大手企業の社員。
終身雇用で景気に左右されづらく、福利厚生もしっかりしているいわゆる“安定”した職業。

最初の就職の際、「安定しているから」「ネームバリューがあるから」となんとなく入った方もいるのではないでしょうか。

ですが最近は価値観が多様化し、働き方も“多様性”が謳われることが増えてきました。

今安定した職に就いている方も、今の仕事や今後のキャリアに違和感を覚えたことはありませんか?

長い仕事人生、キャリアを考え直したくても、安定を手放すことへの不安や周りにロールモデルがいないことから一歩踏み出せないという方は多いのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、公務員からフリーランスwebデザイナーへのキャリアチェンジを実現されたSAKIさん。

どのような気持ちで“安定”を手放すことを決め、実際にどのような行動を起こしたのか。
SAKIさんのお話には、固定概念にとらわれず自分らしい働き方を叶えるヒントが詰まっていました。

▶︎SAKIさんプロフィール
1994年生まれ。関西在住の27歳。
大学卒業後、新卒で地元の広域自治体の職員として入庁し、2020年12月末まで勤務。

キャリアチェンジを目指して2020年8月にキャリアスクールSHElikesに入会。
webデザインを学び、2021年1月からフリーランスのwebデザイナーとして活動開始。ホームページ制作を中心に幅広く活動している。

2021年10月から個人でキャリアブランディングサービスを開始。

Instagram:@saki_tsumugu_design
HP:Tsumugu design

※SHElikes…ライティング、webデザイン、webマーケティングなどのクリエイティブスキルを学べる女性限定のキャリアスクール

「“安定”とは何か?」体調不良をきっかけに考え始めた公務員の常識

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ーーまず、公務員時代のお仕事内容について教えてください。

新卒で入庁してから3年間は税関係の部署に所属していました。税金の管理業務が中心で、パソコンと睨めっこしている時間が長かったです。

入庁4年目の春に、総務・人事関係の部署に異動になりました。業務はこれまでとは全く異なり、職員の産休・育休などの休暇に関することや健康管理など、職員に関すること全般を取り扱っていました。

ーー本当に全く違う仕事内容ですね。公務員として働きながらSHElikesに入会されたとのことですが、自身の働き方について考えたタイミングがあったのでしょうか?

最初の部署のときからぼんやりと「私ってどんな仕事がしたかったんだっけ」と感じていました。
ですがまだ1か所目だったので、とりあえず3年はやってみようかなって。
若手のうちは3〜4年で異動するシステムになっていたので、次の異動先で転職するかどうかを考えようと決めていたんです。

そんな思いで異動したのですが、異動先でもやっぱり「私本当にこの仕事がしたかったのかな?」と考えるようになって。
異動した年がちょうどコロナ禍に入った時期だったこともあり、環境の変化や自身についていろいろと考え過ぎてしまったことで体調を崩してしまいました。

これを受けて、本格的に「働き方を変えよう」と決意したんです。

ーーかなり早い段階から仕事に対して違和感を抱かれていたのですね。具体的にどのような点に違和感や葛藤を感じていましたか?

異動で希望が叶わなかったことが葛藤のひとつでした。
公務員の異動は希望が通りづらいとはよく聞く話ですが、やりたいことがあってもここではできないのかなと不安になりました。

周りの職員を見ていても異動希望が叶っている方は少なく、優秀な方ほど忙しい部署に配属されることが多い風潮にずっと違和感があって。

環境としては尊敬する上司や先輩、同期もいて周りの人にも恵まれていたし、公務員の仕事は本当に大切な仕事だと今でも思っています。
ですが、仕事や環境に対して文句を言い続けている自分がすごく嫌だったんです。

ーーさまざまな違和感を経てキャリアチェンジに向けた行動へ踏み切られたと思うのですが、公務員に良く言われる“安定”を手放すことへの不安や葛藤はありましたか?

すごくありました。特に上の世代の方からは、今でも「もったいない」と言われます。
自分としても、いまだに「安定した」って口癖のごとく言ってしまうので、自分の中に深く根付いている考えなのかもしれません。

ーー公務員だと転職される方ってあまりいないですよね。その不安や葛藤はどのようにして乗り越えましたか?

「そもそも“安定”ってなんだろう」ということから考え始めました。

私の業務はパソコンでの入力作業など単純作業も多かったのですが、将来ITが発達してロボットが導入されるなんてことになったら私どうなっちゃうのかなって。

また体調を崩したときには、「雇用という意味ではすごく守られているかもしれないけど、ストレスで体調を崩して休んでいる今の自分、全然安定していないな」と思いました。

そのうち自分の中で少しずつ“安定”の定義が変わってきて、組織に守られる“安定”じゃなくて、自分で自分を守ることの出来る“安定”が欲しいと思うようになったんです。

その結果、「スキルを身につける」ことを目指しはじめました。

どうせなら憧れの働き方を。SHElikesに入会してwebデザイナーになるまで

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ーーSHElikesではさまざまなクリエイティブスキルを習得できるコースが用意されていますよね。その中でwebデザイナーとして働く道を選んだ理由を教えてください。

いろいろなコースを受講する中で、webデザインがすごく楽しいと感じました。

公務員の仕事でパソコンと睨めっこしていたときと比べて、webデザインの勉強をするときは自分からパソコンに向き合おうと思えて。
自分が作ったものがパソコン上で動いていることがすごく嬉しかったです。

webデザインを学ぶことでバナーや名刺だけでなくホームページまで作れるようになるなど、得られるスキルはたくさんありました。
作品を作り続けることで、ちゃんと成長していけそうだなと感じたのもwebデザイナーを目指した理由のひとつです。

ーーここで“好き”を見つけられたのですね。webデザイナーを目指すにあたって、転職かフリーランスかの選択肢があったと思います。フリーランスに決めたきっかけはありますか?

webデザインをやりたいという気持ちの根っこに、「webデザインを通して同じように頑張る女性を応援したい」という思いがあったことが大きいです。

私は人と1対1で関係を築くことが好きなんです。
なので企業に就職して「会社」の看板を背負ってサービスを提供するより、「個人」としてお客様と向き合えるフリーランスの仕事に憧れました。

もちろん、公務員からフリーランスという対極的なキャリアチェンジに不安もありました。
ですが、どうせやめるなら憧れの働き方に挑戦してみようと思ったんです。
もしやっぱり就職したくなったら、そのとき就職しても遅くないだろうなと思い、フリーランスになることを決めました。

ーー「どうせやるならやりたい方を」という考え方、とても勇気づけられます。webデザイナーになるまで、SHElikesでどのように学習して案件を獲得されましたか?

基本的にはwebデザインコースに忠実に学習していました。特に卒業制作を目標に進めて、あとは自分でもバナーや名刺の作成して練習していました。

2021年の1月からフリーランスとして活動を始めて、最初に案件を獲得したのは2月頃。
最初はクラウドソーシングサービスで案件を獲得し、地道に経験を積んでいきました。軌道に乗ってきたのは4月〜5月くらいです。

納得のいく働き方を実現。まずは小さな行動から起こしてみて

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ーー着実に学習と実績を積み重ねてキャリアチェンジを叶えられたのですね。フリーランスのwebデザイナーとして働いてみて、良かったと感じる点を教えてください。

仕事の進め方などをすべて自分で考えて、一人で集中して取り組むことができる環境は自分にとってすごく働きやすいです。

また、自分が作ったホームページが使われているのを見て「自分の手で作品を残せた」という実感がわくなど、仕事にとてもやりがいを感じられています。

あと公務員の時は副業ができなかったので、今はwebデザインのお仕事以外にも「やりたい」って思ったことにどんどんチャレンジできる環境がすごく刺激的で楽しいです。

ーー10月からはキャリアブランティングサービスも開始されていますよね。幅広く色々なことに挑戦されているSAKIさんの、これからの夢を教えてください。

実は自分自身がキャリアに悩んでいた公務員のときから「キャリアに違和感を持つ人や、変わりたいと思いつつ一歩踏み出せず悩んでいる人を支えたい」という夢がありました。

webデザイナーを目指したのも、キャリアに悩む人の支えになるためにまず自分自身がキャリアチェンジを実現しなければと思ったことも理由のひとつでした。

過去の自分と同じように、安定している職業とかホワイト企業だからこそ仕事に違和感を抱えていてもなかなか踏み出せない人って実はたくさんいると思うんです。
そういう方々に対して、「こういう人もいるんだ」ということを自身で示し、支えになっていくことができたらと思っています。

ーー最後に、仕事やキャリアに違和感を抱えていながらも一歩踏み出せない方へメッセージをお願いします。

自分の中に生じた違和感って、あとから考えると結構当たっていることが多いんですよね。
とはいえ違和感ってすごく漠然としたものだし、最初からいきなりキャリアチェンジのような思い切った行動で違和感を埋めることは難しい。

でもまずは本を買って勉強してみるとか、そんなささいな行動から違和感を小さくすることはできると思うんです。
小さくした違和感の先に、今まで見えていなかった選択肢が見えてくるかもしれません。

不安の正体って、行動することで初めて明確になったりします。
むしろ想像している不安の大半は現実では起こらないって研究もあるらしいので、そう思うと漠然とした不安のせいで何もできないのは少しもったいないですよね。

なので「大丈夫、大丈夫」って思いながら、いきなり大きく変わろうとせず、まずは小さな行動から起こしてみるといいと思っています。

その結果、やっぱり現状が自分にとってベストだと思えればそれは一つの収穫です。違ったらまた探せばいいし、起こした行動は絶対に自分にとっていい学びになります。

そうやって行動を積み重ねていって、自分の選択を自分の行動で正解にしていく。すごく難しいことですけど、とても楽しいものです。

自分が守りたいものは何か、自分が納得できる姿はどんな姿かを、小さな行動を積み重ねて探してほしいなと思います。

編集後記

公務員からフリーランスwebデザイナーという大きなキャリアチェンジを叶えられたSAKIさん。
そんなSAKIさんも、周りの声や自分に何ができるかなど、たくさん悩みながら自分と向き合い行動することで納得のいく働き方を実現されました。

SAKIさんがまずはスキルを身につけるべくスクールに入会されたように、いきなり“安定”を手放さずとも、まずはできることから行動してみませんか。
違和感や不安を少しずつクリアにして、自分が納得いく仕事やキャリアの実現を目指していきましょう。

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