ペーパージャケット/開発の裏側【#04 命名:ペーパージャケット】
バタフライボードの福島です。
現在、鋭意開発中の第8弾新製品をどんな想いでかたちにし、どうやって製品化を試みているのか、モノだけでは見えない「開発のプロセス」を少しづつですが共有させていただいています。
第4回目は「命名」です。
前回に引き続き、アートディレクターのハイロックさんと『プロダクトの存在を無くし、体験価値を最大化する』という設計理念のもと、かく前も、かいている瞬間も、かいた後も、一連のアクションに「心地よさ」を追究し、画一化されたデジタル世界では実現できない、身体の延長のように人に馴染む、アナログならではの体験価値をデザインしています。
命名で重視するポイント
① 名前でプロダクトを想起できるか
② 既存モデルや他社製品と差別化ができるか
③ 言いやすさとカッコよさはあるか
という3つのポイントを頭に入れて、プロトタイプの製作と並行して考え始めました。
Phase1)このプロダクトのカテゴリーは何?
このプロダクトで「できる事とやりたい事」のバランスを取りながら、どのカテゴリーに属するのかを4象限に分類してクリアにしていきました。
知らなかったのですが、バインダーとファイルの違いは、未記録の用紙なのか、記録済みの用紙を入れるのかの違いで分類されるようです。
ということで、本製品はバインダーの要素が強く、ノートやファイルの用途も満たすというバランスが見えてきました。
Phase2)このプロダクトは何?
上記のバインダーは「できる要素」として外せないとして、「やりたい事」はノートなのかファイルなのかを考えてみると、やはり「かきたくなること」を主眼にいおいて開発をしていたこともありノートは外せません。
しかし、このノートという言葉は、様々な方にヒアリングをした結果、人によってイメージするものが違うということが分かりました。
基本、かかれる道具といのは共通しているのですが、私自身は綴じられた紙という「機能」を想起しますが、大きさや薄さなどの「物質」をイメージする方、そして手軽さや自由さといった「感じ方」をイメージする方など多種多様であったため、「○○〇なノート」という表現は避けた方がよいという結論になりました。
ここは新しいカテゴリーのプロダクトを生む苦しみの一つでもあります。
ということで、このプロダクトは、長いんですが、
「好きな紙を選んで、綴じて、携帯することができる道具」
が、今のところしっくりきています。
Phase3)プロダクト名は何?
「好きな紙を選んで、綴じて、携帯することができる道具」では、プロダクトを想起できたとしても、言いやすさやカッコよさがないので、シンプルな言葉で言い表すプロダクト名を考え始めたのですが、
考えれば考えるほど迷走。。。。。。
ということで、ハイロックさんに相談をすると、
福島さんは欲張りすぎで考えすぎ。
もっと直感的でいいんじゃない。
例えば、紙を正装させる「ペーパージャケット」みたいな・・・
あっやばい、メチャしっくりくる。そして、響きがカッコイイ!
ということで、
そこからお互い3か月程「ペーパージャケット」を共通言語で進めていき、違和感が出ないかを確認しつつ、商標出願の準備を行い、最終的にこの「ペーパージャケット」がプロダクト名に決定し、商標出願を行いました。
PAPERJACKET™
ちなみに、クリップの名前も同じように悩みましたが、これまでのSnap Bindingがそのまま機能のイメージなので、シンプルに「スナップバインディング・クリップ」としました。
Snap Binding® Clip
プロダクトの名前は、世に出して時間がたたないと正解は分からないですが、この名前を信じ、世に出したいと思います。
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