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50歳独身(女)無職になって1年半

ポンコツな毎日を

25歳でOLを辞めて以来、
寝ても覚めても”好き”と思えるお菓子を
自分の生涯の仕事としてやっていこうと決心して走り続けてきた。
その間、恋も幾つかしてみたけれど
最優先は彼ではなく仕事。いつもピリピリしてたのだと思う。
一つ恋が終わるたびに
とてつもなく安堵し、仕事にだけ集中できるぞ!という喜びが
恋の終わりの悲しみを見事に押し退けて心を占領するのだった。
始まると同時に、いつ終わる?と考えてしまう自分がいた。

大好きでたまらない事を仕事にすることができて
思い描いた夢はトントンと叶えさせてもらって、
この人生を終える数日前まで同じ事を仕事として続けていけたら本望。
その気持ちは変わらないものだと思っていたのだけど、
コロナ SNS それとも 更年期?
理由は一つではなく 小さな事を含めれば本当に沢山の想いをもって、
25周年を迎える頃にふと 「今だ!」という瞬間がやってきた。

3-4年かけて、じわじわと準備を進めてきた事を私は知っている。
自分に気付かれない様にそのチャンスを伺っていたことを。
続けようと思えばまだまだ大丈夫。
でも、、、一旦思い描いて気持ちが少し傾いたなら、
止められないのも事実。
やっちゃえ!自分!! である。

3ヶ月ほど前に告知をし、無期限で一旦幕を下ろした愛する仕事。
それから1年半、ようやく焦りや不安を感じずに過ごすという
心の保ち方にも慣れてきた頃だ。
それまで「働かざる者食うべからず」精神で生きてきた癖で、
1円も稼がない毎日を不安に感じてしまいそうなところをぐっと堪えて、
そんなポンコツな自分を愛して、良しとするトレーニングをしている感覚。

当然のことながら
毎週、毎月、もともと僅かだった貯金はチャリンチャリンと音を立てて
猛スピードで軽量化していくし、
50歳を迎えてなお強く感じる視力、気力、体力、探究心などなど
その減退パワーに歯止めは効かない。

でも なんとかなる!! と構えていられるのも
もしかしたら50歳になったからかもしれない。
とにかく
こんな毎日を過ごせる日がやってくるとは夢にも思っていなかった時代があって、しかし、このままだったら後悔してしまうかもしれない!?と
感じたタイミングだからこそ
いま、毎日がとにかく幸せで、感謝の気持ちで満たされている。

朝5時台に起きて公園へ犬の散歩に出かけ、
日中は料理をし、プライベート用のお菓子を焼き、
友人と会ったり、陶芸なんか体験してみたり。
高齢になり最近病気が見つかってしまった母との時間が
いよいよ限られてきたという現実を受け入れながら、
悔いの残らない毎日を過ごすことだけにフォーカスして暮らしてみている。
金銭面での限界アラームが鳴り響く日もそう遠くはないけれど、
小さく焦ってみたりするよりも今はこの穏やかな時間を味わうと決めた。






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