スモーカー

【現代日本昔ばなし20】ヘビースモーカー

 むかしむかし、あるところに、へびーすもーかーが いました。

へびーすもーかーは すきあらば、たばこを すいました。

たばこを すうという りゆうだけで しごとを さぼりました。

きつえん できない おみせには いきませんでした。

 あるとき、へびーすもーかーが いつものように きつえんじょで たばこを すっていると、ひとりの しょうねんが はなしかけて きました。

「ねえねえ、おじさんが すっているのは なに?」

へびーすもーかーは いいました。

「これは たばこ というんだ。からだに わるいから、こどもは すっては いけない。ここから でていったほうが いいいよ。」

しょうねんは ふしぎそうに いいました。

「からだに わるいのに おじさんは なんで たばこを すっているの?」

へびーすもーかーは こたえました。

「おいしいからだよ。」

「ふーん。」

そういうと、しょうねんは いなくなって しまいました。 

 いえに かえって、へびーすもーかーは おくさんに きょう おこった できごとを はなしました。

「ふしぎなことも あるものね。」

おくさんは たばこを すいながら こたえました。

「ふしぎだね。」

こうこうせいの こどもも たばこを すいながら こたえました。

「わんわんわん。」

かいいぬの まるちーずも たばこを すいながら ほえました。

「もくもくもく。」

いえも えんとつから ふくりゅうえんを だしています。

「あれは もしかしたら、たばこの ようせい だった のかも しれないな。」

へびーすもーかーは おもいました。

「でも、やめられないんだよな。」

へびーすもーかーは、そういって すいつづけました。

「そうね。それだったら、1かーとん でも たばこを もってくれば いいのにね。」

おくさんは いいました。

「けちくさいなあ。」

こうこうせいの むすこは けいさつに ほどう されながら いいました。

「わんわんわ・・」

まるちーずは ぐったりして ちからなく ほえました。

「もくもくもく」

いえからは、あいかわらず ふくりゅうえんが でています。

もくもくとでた けむりは、いつしか まち じゅうを つつみこみました。

 この けむりに つつまれた まちを、しょうねんは、ちかくの おか から ながめて いました。

「あの けむりは、たばこの けむり なのか。おいしいって いってたなあ。 けむりが おいしい なんて どうか している。おかしの ほうが よっぽど おいしいのに。そうだ、あの けむり みたいな おかしを つくろう。」

 こうして しょうねんは、けむりみたいな おかし「わたあめ」をかいはつし、しあわせに くらしましたとさ。

めでたしめでたし。

 

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