スタンプ

【現代日本昔ばなし19】スタンプ貯め太郎

 むかしむかし、あるところに、おじいさんと おばあさんが いました。

おじいさんと おばあさんは、すたんぷかーどを ためる ことが すきでした。

しかし、いちどとして、すたんぷを ぜんぶ あつめる ことが できた ことは ありませんでした。

とうぜん、いえの なかには やまのように すたんぷかーどが たまって いました。


 あるひ、おばあさんが、すたんぷかーどを せいり しようと ちかづくと、すたんぷかーどの やまが あかるく かがやきだしたかと おもうと、なかから たまのような あかんぼうが うまれてきました。

おじいさんと おばあさんは、この こどもに「すたんぷためたろう」となづけました。


 すたんぷためたろうは、どんどん おおきくなり、あるひ おじいさんに いいました。

「うちに ある、たいりょうの すたんぷかーどを すべて ためる たびに でます。」

おじいさんと おばあさんは、しんぱいでしたが、おくりだす ことに しました。

「すたんぷためたろうや、これを もっていきなさい。」

そういって おばあさんは ふうとうを わたしました。

なかには、すたんぷ2ばいの くーぽんが はいっていました。


 すうねんが たった あるひ、おじいさんと おばあさんの いえの とびらを たたく おとがしました。

とびらを あけると、そこには りっぱに なった すたんぷためたろうの すがたが ありました。

「おじいさん、おばあさん。すたんぷを すべて ためおわりました。」

すたんぷためたろうは いいました。

「おお、すたんぷためたろうや。でかした。」

おじいさんと おばあさんは よろこびました。

なぜなら、すたんぷかーどが たまったことに より、いままで ほごに なったと おもっていた とくてんが、すべて てに はいるからです。

「さっそく、こうかんに いこう。」

こうかんに いって おどろきました。

なんと、すたんぷかーどの ゆうこうきげんが すべて きれていたのです。

「すたんぷためたろうや。これでは まったく いみが ないじゃないか。」

おじいさんは おこりました。

「ちがうよ。すたんぷを ためたことに いみが あるんだよ。」

すたんぷためたろうは そういったとき、すたんぷためたろうが あかるく かがやいたかと おもうと、すたんぷためたろうが きえてしまいました。

「ああ。すたんぷためたろうや。すまんことを いった。わしが わるかった。」

おじいさんは あやまりましたが、すたんぷためたろうが もどってくることは ありませんでした。

「あら、おじいさん、これを みて。」

おばあさんが すたんぷためたろうの きえたあとを ゆびさしました。

みると、1まいの すたんぷかーどが ありました。

「これが さいごの すたんぷかーどだ。わしは これを ためてみせるぞ。」

おじいさんは けついしました。

が、けっきょく、なんの すたんぷかーどかは わからなかったので、すたんぷは 1つも たまることは なく、しあわせに くらしましたとさ。

めでたしめでたし。


投げ銭お願いします!!