夢の国

【現代日本昔ばなし 5】夢の国姫

 むかしむかし あるところに おんなが いました。 おんなは ゆめのくにが だいすきでした。

ゆめのくには あにめの なかにでてくる きゃらくたーの きぐるみや たてものが さいげんされて いるので、いかにも そのせかいに はいりこんだきぶんに なることができるのです。

おんなは じぶんのことを そのゆめのくにの おひめさまだと おもいこむことが できたのです。ひとは おんなを ゆめのくにひめと よんでいました。


 ゆめのくにひめは まいにちでも ゆめのくに いきたがりました。 なぜなら、ゆめのくにからでると ゆめのくにひめではなく おーえると よばれるからです。

しかし、ゆめのくにに いちにち いくだけでも にゅうじょうりょうが すうせんえん はっせいします。いちねんかん かようならば すうまんえんする ねんかんぱすを こうにゅうせねば なりません。

ゆめのくにひめは ゆめのくにひめで あるために げんじつせかいで ひっしに はたらいていました。

ゆめのくにひめは
「いつか おうじさまみたいな ひとがあらわれて まいにち ゆめのくにに つれていって くれないかしら。」
といつも おもっていました。



 あるとき ゆめのくにひめは どうりょうに さそわれ ごうこんに いきました。そこには ねっしんに あぷろーちしてくれる おとこが いました。

「わたしにも おうじさまが あらわれたわ。」
ゆめのくにひめは おもいました。

ゆめのくにひめは そのおとこに いいました。
「あなたは わたしの おうじさまだわ。ゆめのくに に つれていって。そこでは、わたしは おひめさまに なれるの。」

おとこは いいました。
「ゆめのくにには なにがあるんだい。」

ゆめのくにひめは こたえます。
「すてきな おしろが あるの。」

おとこは いいました。
「そんな とおくに いかなくても ぼくが すてきな おしろに つれていって あげよう。」

「まあ、すてきね。」
ゆめのくにひめは よろこびました。


 おとこに ついていくと、めのまえに おしろが あらわれました。
「まあ、すてき。これは なんという おしろなの?」
ゆめのくにひめは たずねます。

「まあ、そんなこと いいじゃないか。それより はやく なかに はいろうよ。」

ふたりは「ほてる ぷりんせす」のなかに きえていきましたとさ。


めでたしめでたし

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