懸賞

【現代日本昔ばなし22】懸賞太郎

 むかしむかし、あるところに、おじいさんと おばあさんが いました。

おじいさんが ていねん していこうは、たいくつ しのぎに けんしょう おうぼを して くらしていました。

けんしょうという けんしょうに すみからすみまで おうぼ しまくって いました。

なので、じっさい たまに けんしょうが あたることも ありましたが、それが いったい なにの けんしょう なのかも わかりませんでした。


 あるとき、ふたりの もとに 1つの こづつみが とどきました。

はこを あけると てがみが はいっています。

そこには

「ごとうせん おめでとう ございます。」

とありました。

「なんの けんしょうかのう。」

とおもいながら ふたりが なかをみると、なんと たまのような あかんぼうが はいっていました。

ふたりは、「けんしょうたろう」となづけました。


 けんしょうたろうは どんどん おおきくなり、りっぱな わかものと なりました。

けんしょうたろうも おじいさん おばあさんの あとを つぎ、けんしょう せいかつを していました。

さらに、けんしょうの ほかにも、もにたー おうぼも はじめました。

わけのわからん けしょうひんや けんこう しょくひんを、おしゃれな かいじょうで、ちょっと ししょくした ようすを、ぷれびゅーも そんなに あるわけではない SNSに あっぷしたり、その ぷろもーしょんの ために やってきた にんき もでる と しゃしんを とっては、SNSに あっぷして、しょうにん よっきゅうを みたして いました。

なので、たいむらいんが わけのわからん、りついーとや、せんでんばかり なので、ふぉろわーすうも ぷれびゅーも どんどん すくなくなっていきました。

けんしょうたろうは あるひ、おじいさんと おばあさんに いいました。

「ぼくは いんふるえんさーに なりたい。」

おじいさんは いいました。

「ばかなことを いうな。おまえの SNS なんて、だれも みて おらんのじゃ。」

けんしょうたろうは いいました。

「ぼくだって いつか なんまん いいね がもらえるような いんふるえんさーに きっと なれるはずだ。」

おばあさんは いいました。

「ちがうんじゃ。いいねを かせぐ なんて かんたんじゃ。かわいい おんなが、ちょっと きわどい しゃしんを ていきてきに あっぷしたり、たにんの とうこうを ろくに よみもせず いいねを したり、 むさくいに ひとを ふぉろー しまくって ふぉろーがえしが きたら、じぶんの ふぉろーを はずしたり、にんきの つぶやきや あいどるの しゃしん などを ぱくって とうこう すれば いいだけの はなし じゃからのう。」

おばあさんは つづけます。

「しかし、けっか その ばくだいな じかんや ろうりょくの けっか、えられうるのは、すこしの しょうにんよっきゅうを みたしたり、わずかな もにたーの しょうひんだけ。ただの しゅみ なんじゃ。ちゃんと だいがくに いって、いちりゅう きぎょうに しゅうしょく すれば、そんな めんどくさい ことを せずとも、たいきんが かせげるし、ねっとしゃかい なんかで よっきゅうを みたす ひつようも なくなるのじゃ。いまは うりて しじょう なんじゃから。」


 けんしょうたろうは ぶじ こくりつ だいがくに しんがく、5ねんで そうぎょうし、そこそこの きぎょうに しゅうしょく、けっこんし、まあまあ ゆうふくに なりました。

そして、おくさんと あそび ていどの けんしょうを おうぼ しながら、けんしょうの しょうひんとして、あかんぼうが おくられてくる そのひまで、しあわせに くらしましたとさ。

めでたしめでたし。




 

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