【現代日本昔ばなし25】海外ドラマ女

　むかしむかし、あるところに、ひまな おんなが いました。

おんなは ひまさえ あれば かいがい どらまの DVDを みて せいかつ していました。

 あるひ おんなが いつものように れんたる しょっぷへ かいがい どらまを かりに いくと、いつも みている しりーずの つづきの  かんが れんたる されて いました。

「こまったわ。ひるの わいどしょーを みて すごすことも できるけど。」 

しかし、おんなは あろうことか、べつの かいがい どまらに てを だして しまったのです。

　それからの おんなは かりたい DVDが れんたる されていたら、また べつの どらまへと どんどんと てを ひろげて いき、いつのまにか みなければ ならない DVDが たいりょうに ふえて しまったのです。 

「ああ、どうしよう。こんなにも たくさんの DVDを みなければ ならない なんて。」

おんなは へきへきと してしまいました。

「おにいさん。１かいに 20まい しか かりれないなんて ひどい。これでは いつまで たっても みおわらないわ。」

おんなは れんたる しょっぷの おにいさんに やつあたり しました。

れんたる しょっぷの おにいさんは いいました。

「だったら、20まい れんたる して すぐ かえせば いいじゃないかい。そうすれば、すぐに また 20まい かりることが できるのに。」 

おんなは はんろん しました。

「そんなに すぐに みれたら くろう しないわ。」

おにいさんは いいました。

「それでは、あなたは いままで みた DVDの ないようを おぼえて いるのですか？」

おんなは こたえます。

「たしかに、たくさん みたのだから、おぼえて なんて いないわ。そうね。ないよう なんて かんけい ないのね。ひま さえ つぶれれば。」

　それからというもの、おんなは みもしない DVDを かりては かえすことを くりかえしました。

もちろん、なかみは みずに。

しかし、「ものすごいう りょう れんたる する おんなが いる」という うわさは またたくまに ひろがり、その うわさは れんたる しょっぷの しゃちょうの みみに はいりました。

「そんなに うちを りよう してくれて いるんだ。ひょうしょう しよう。」

　おんなは ひょうしょうしきに まねかれました。

しゃちょうは いいました。

「いつも れんたる してくれて ありがとう。ところで きみの いちばん すきな DVDは なんだい？」

おんなは こたえました。

「かいがい どらま です。」

「そうかい。そのなかでは なにが すきなんだい。」

しゃちょうは たずねます。

「かいがい どらま です。」

おんなは こたえました。

「いや、だから・・」

「かいがい どらま です。」

おんなは つづけます。

「こんな ところで ひょうしょう されてる ばあい じゃないの。わたしは かいがい どらまを れんたる しなければ ならないの。」

おんなは かえって しまいました。

おこった しゃちょうは いいました。

「うちの みせから かいがい どらまを なくせ。」

　ごじつ、おんなは かいがい どらまを かりようと すると、なんと、かいがい どらまが ありません。

おんなは おにいさんに いいました。

「ああ、かいがい どらまが なくなって いるわ。わたしは どうやって せいかつ したらいいの。」

おにいさんは こたえました。

「では、こちらは いかがでか。」

　それからというもの、おんなは はんりゅう どらまを かりつづけ、しあわせに くらしましたとさ。

めでたしめでたし。