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【現代日本昔ばなし23】サービス残業男

 むかしむかし、あるところに、さーびす ざんぎょうを する おとこが いました。

おとこは、わずかな ちんぎんしか もらって いない のに、しごとを たくさん おしつけられ、おわらない しごとは かいしゃに のこって むしょうで おわらせて いたのでした。


 あるとき、おとこが、いつもの ように さーびす ざんぎょうを していると、ねむく なってきました。

あまりの ねむさに、おとこは まちがえて ぱそこんの でんげんを ぬいて しまったのです。

あわてて さいきどう しましたが、もう でーたは もどってきません。

おとこは、こまって しまいました。


 そこに、じょうしが あらわれました。

おとこは いいました。

「しごとが きえて しまったんです。」

じょうしは いいました。

「あなたが けして しまった しごとは、かねに なる しごとですか?」

じょうしは たずねました。

「いいえ、そんなに かねに なる しごと では ありません。」

おとこは こたえました。

「では、あなたが けして しまった しごとは、せきにん ある しごと しごと ですか?」

じょうしは たずねました。

「いいえ、そんなに せきにんある しごと では ありません。」

おとこは こたえました。

「それでは、あなたが けして しまった しごとは なんですか?」

じょうしは たずねました。

「これは ふつうの さーびす ざんぎょう です。」

おとこは こたえました。

「あなたは しょうじきものです。そのまま、しごとを つづけて ください。あしたの あさまでには かくじつに おわらせて ください。」

 そういって じょうしは きえて いきました。


「ふう。」

おとこは ためいきを ついて、いつも どおり さーびす ざんぎょうを つづけて しあわせに くらしましたとさ。


めでたしめでたし。

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