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業務システムを発注する際に気を付けるべきポイントとは?

ビジネスデザイン研究所ではさまざまな企業のシステム導入を見てきました。その中で1つ気づいたことがあります。
業務の効率化や人件費の削減、顧客満足度向上や情報セキュリティの強化など、システムを導入する理由やメリットは多岐にわたります。ですが、全ての業務やプロセスなど、なんでもかんでも無条件にシステムにすればメリットがあるわけではありません。全てをシステム化することにこだわらず、必要な部分だけを導入しても良い場合もあるのです。

「なんでもシステム化」は危険?!


複雑な業務をシステム化して作業効率を上げようと考える企業はたくさんあります。ですが「ちょっと待った!」と言いたいです。そもそも複雑な業務だから効率が悪いのかもしれません。

<複雑な業務をシステム化するデメリット>
システムが複雑になり開発費用が高くなる
開発工数も増え開発期間が長くなる
開発後に改修が必要になった場合も、修正に時間と費用がかかる(複雑な構造のため修正しづらい)
複雑すぎると担当者以外がわからない、「属人性の高いシステム」となる恐れもあり

せっかくお金をかけてシステムを導入しても特定の人しか使えないほど複雑なものが完成してしまってはもったいないですよね。システム導入前には、業務内容を整理して誰もが使えるシンプルな形を目指すことが大切です。

事例紹介


ではここで、なんでもシステム化するのではなく、業務を分解して必要な部分だけにシステムを導入した事例をご紹介します。

全国各地で食堂を展開する企業が、食堂で使える年間定期券を販売している。その定期券は購入すれば1年間有効となっており、解約時や更新時には精算業務が発生する。

その定期券の利用者を管理する共通システムを導入する際、精算のルールが
「残額を全額返金」「10%を返金」「返金なし」など店舗ごとにバラバラで、どう考えてもパターン化できず複雑なシステムになることが懸念された。

開発会社と打ち合わせの際に「まずは業務フローを見直しましょう」と提
案もあり業務を整理し、分解していった。

業務整理を行うことで、「どの業務の何がシステム化できて、何ができない(整理がつかない)のか」を明確にし、できない(整理がつかない)ところは開発会社と一緒に代替え手段を考えた。

結果、ルールが統一されていない部分は、そのままシステム化すると複
雑になるため、手作業の方が効率的。精算業務の一部は店舗ごとのルールで計算し、その計算結果をシステムに記録するという流れとなった。

複雑なルールがある中でも、無理にシステム化しなかったことで、シンプルでどの店舗でも使いやすいものとなった。

<成功ポイント>
・ルールが統一されていない部分(複雑な業務)はシステム化しない
・業務を整理したことでシステムもシンプルで使いやすいものとなった

システム導入時には業務の見直しも


システムを導入すると効率が上がったり費用が削減できたりとメリットがあります。ですが、なんでもかんでもシステムにすればメリットがあるわけではありません。複雑な業務やバラバラのルールはシステム化せずに手作業の方が良いケースもあるります。
複雑な状態でシステム化すると、開発にかかる費用も期間も大きくなってしまいます。その後のメンテナンスも複雑なために余計な費用が必要となることもあります。あなたの会社の業務は複雑になっていませんか?
システムを導入する際には、業務フローの見直しを併せて行えるといいです。全てシステム化することにこだわらず、必要な部分だけ導入も考えることが大切です。

システム会社と打ち合わせをするときには、「システムが必要なのはどの業務なのか?」「導入することで効率が上がるのか?」という部分まで一緒に考えましょう。親身になって丁寧に提案してくれるシステム会社さんはたくさんあります。

「なんでもシステム化が正解ではない」これを念頭に置いて打ち合わせに臨めば、きっと良いシステムが完成しますよ。