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『ディズニーCEOが実践する10の原則』 〜どんな大きな会社でも作っているのは人間だ〜

『ディズニーCEOが実践する10の原則』を読了。

会社って、どんな大きくなったとしても、人間が作ってるものなんだな。そんな、当たり前のことを改めて思った。
そして、その人間たちをより良い方向へと導くのは、やっぱりリーダーなんだなと思わされずにはいられなかった。

本書には、CEOに就任してから15年の間に、ディズニーの時価総額を5倍にしたロバート・アイガーの仕事人生がギュギュギュギュッギュッと詰め込まれている。
訳者あとがきでも書かれているが、アイガーは全くもって、理想の部下であり、理想の上司である。
ディズニーCEOに就任するまでの第1部では、アイガーには常に上司がいる。皆それぞれに個性的なのだが、アイガーはまあそれは見事に上司たちに対応し、どの仕事においても信頼を勝ち取っていく。その仕事への姿勢は完璧だ。でも、アイガーはそこで終わるような器じゃなかった。
CEOになってからのアイガーは、攻める。みんなが驚くくらいに、攻める。特にピクサー買収のところは、読んでいてすごくワクワクしたし、ジョブズとの関係を綴った個所は目頭を熱くさせる。

その他にも読んでいて清々しい場面が目白押しなのだが、それはやはりアイガーの人柄なのだろう。
前向きで誠実。謙虚に辛抱強く目の前の仕事に全力で取り組み、自分自身に常に正直。責任を誰かに転嫁したりしない。わたし的には、謙虚でありつつも、野心があるということはちゃんとアピールするところがすごくイイなと思った。
多様性に対する理解と実績を示す部分もバッチリ描かれていて、この後アイガーが政治に乗り出すための布石も打たれているところはさすが。というか、今のアメリカの状況を思うと、アイガーがもうちょっと早く引退していて、今回の大統領選に出馬していたら良かったのになーと、つい考えてしまった。

リーダーとしての心構えはもちろん、人としてどう生きるべきかを、仕事というものを通して心底教えてくれる、超オススメの一冊。

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