「10年稼げる研修講師」になる方法
この有料記事は著者が2021年から2023年にわたり「まぐまぐ有料メルマガ」で配信した「10年稼げる研修講師になる授業」に一部加筆修正を行い、配信された内容をすべてまとめた形で記事化したものです。
同メルマガは2021年の「まぐまぐ大賞」において新人賞10位にランクイン。
多くの方にお読みいただきました。
プロローグ 〜優秀な実務家や学者ほど、指導が上手にできない〜
ビジネス数学教育家・深沢真太郎です。
私のプロフィールや「ビジネス数学」についてはこちらをご覧いただければと思います。著者が何を専門としどんな実績を積み上げてきた人物なのか、まずは知っていただければ幸いです。
私はこの「ビジネス数学」を指導できるビジネス数学インストラクター制度を2018年に立ち上げました。以来、数字に強い人材・組織をつくる研修講師の育成に従事しています。
自己紹介はこれくらいにしましょう。
かつて私に「統計学の研修」をご依頼いただいた大手企業がありました。その依頼の背景をお尋ねしたところ、次のようなコメントが返ってきたのです。
私個人としては頼っていただけることに嬉しさはあります。しかし一方で、「この事象は決して良いことではないな」と思ったのです。なぜなら、この事象はせっかく優秀な実務家や学者がいるのに、彼らにビジネスパーソンに向けての研修ができる技術や知識がないことの証だからです。
もしこの学者さんにビジネスパーソンにうまく指導できる技術があったら、(おそらく)私よりいい統計学の研修をしていたはずです。私は万能ではありません。私より優れた実務家や専門家はたくさんいます。どう考えてもその人たちが指導してあげた方がいいと感じる場面が、私のこれまでの現場にたくさんありました。しかし人材育成をする企業や研修・セミナー業界のベンダーがその選択をすることができないのです。結果、私のところに相談や仕事が集まってしまうのです。
優秀な実務家や学者ほど、ビジネスパーソンに向けての研修技法を学んで欲しい。
これが私の願いです。一方で、そもそも実務家や学者は教育者ではありません。この問題が生じるのは当然とも言えます。さらに深刻なのは2つの構造的な問題です。
有り体に表現するなら、私(深沢)のような人間に素直に教えを乞うことがなかなか難しいのです。私は彼らをリスペクトしているのに、彼らは私をリスペクトできないということかもしれません。
しかしこの問題を解決するためには、やはりどうしても彼らにビジネスパーソンに向けての研修技法を学んでいただく必要があります。ならばメールや記事のような形であれば、そのような“ご立派な皆様”でもこっそり、しれっと、学ぶことができるのではないかと考えました(笑)。
繰り返しですが、この有料記事は著者が2021年から2023年にわたり「まぐまぐ有料メルマガ」で配信した「10年稼げる研修講師になる授業」に一部加筆修正を行い、配信された内容をすべてまとめた形で記事化したものです。
そして第1回のみ無料でお読みいただけるようにしました。この記事を読むべき人、役立てることができる人、逆にお役に立てない人、包み隠さず言語化しています。ぜひお楽しみください。
もしあなたにお役に立てそうであればぜひ続きもお読みいただき、タイトル通り「10年稼げる研修講師」になってください。それが著者である私の唯一の願いであり、この記事を公開した唯一の理由です。
「稼げる」とはどういうことか
この記事で主題として扱う「研修講師」とは、主にビジネスパーソンあるいはトップアスリートなど勝負の世界で結果を求められる人などのスキルアップや成長を手伝う仕事です。
そんな彼らに共通するのは、「稼ぐ」という営みに参加しているということです。ビジネスパーソンはもちろんのこと、アスリートも試合の結果によって稼ぎが決まります。いずれもそれは厳しい世界で戦っている戦士たちです。
そんな戦士たちの時間をお預かりして(ある意味では奪って)研修・講義・講演などといったものを提供することが仕事をするわけです。冷静に考えると、なんと烏滸がましいことだろうと思います。稼いでいる人の時間を奪うわけです。そして彼らにとって時間とはお金そのものです。ならば研修講師の提供するものはそれ以上の価値を生むものでなければ嘘です。彼らが喜んでお金を払う存在でなければならないのです。
残念ながら日本人は「稼ぐ」という言葉にアレルギーのある方が多いように思います。しかし研修講師が「稼ぐ」のは当然です。稼げないということは価値がないということ。それが商業的な世界で講師をするということです。
稼げるとはどういうことか。
金持ちになろうということではありません。人様の「時間=お金」を奪うだけの価値を提供できるということです。
この記事を読んで成果が出る人
この記事は、私がまさに講師育成の現場で指導しているエッセンスが存分に盛り込まれています。すなわち、この記事を読むべき人、読んで成果が出る人は次の通りです。
これらを満たさない人は、この記事を読むだけではご期待に沿えないと思います。素直に実践する人だけがこの記事への投資を回収できるでしょう。言い換えれば、この記事に書いてある程度のことを実践しないで10年稼げる研修講師になろうなどムシが良すぎるということです。他にもっと儲かる仕事、コスパやタイパのいい仕事、子供や若者から憧れてもらえる仕事、チヤホヤされる仕事はたくさんあります。無理をせずそちらを選べばよろしいかと思います。
それでも学びたい人、本気で目指す人、投資して回収する意思のある人にだけ、私がこれまで現場で経験してきたことや血肉となっているものを惜しみなくシェアしたいと思います。これがこのコンテンツを有料にしている理由です。
世界には優秀な人がたくさんいます。せっかく持っているその知識や経験は、必ず誰かにとって必要なものであり、その誰かを幸せにするものです。しかし残念ながらその優秀な人は、未熟な人にうまく「それ」を届ける術を知りません。もしそれが実現できる世界になったら、教える側も教えてもらう側もみんながHappyです。
優秀な人ほど、指導者になって欲しい。
私の願いが込められたものです。ぜひ大切に扱って頂けたら嬉しいです。ではさっそく、参りましょう!
#1 そもそも研修講師とは何をする仕事か
さっそくですが本題に入ります。
この記事のテーマは「10年稼げる研修講師になる」です。あなたもそんな研修講師を目指すためにご参加いただいていることと思います。だからこそ、まずは「研修講師」の定義にこだわりたいと思うのです。
何事もそうですが、定義や前提が共有できていない対話は必ずどこかでエラーが生まれます。例えば「生産性」という言葉。この定義が一致していない上司と部下の会話は、おそらく悲惨なほどに噛み合わないでしょう。例えば「結婚」とは何か。
そもそも結婚というものに対するスタンスや前提が一致していなければ、おそらくうまくはいかないでしょう。
そこで今回はこの「研修講師」の定義についてお話をしようと思います。もしかしたらあなたはもっと細かい技術論や講師として仕事を獲得する手法を聞きたい(それだけ教えて欲しい)と思っているかもしれません。でもごめんなさい。その前に学んでおいて欲しいことがあるのです。
講師養成講座をしていると、(当然ですが)プロの講師という仕事をやってみたいと思っている人とお会いします。皆さんそれぞれ専門分野をお持ちで、「教えたい」「伝えたい」という意欲もあります。しかし話を聞いていると、どうも「研修講師」というものをそもそもご理解いただけていないと感じることも多々。確かに、特殊な仕事ですからね。
講師とひとくちに言っても、いろんな人種がいます。
塾講師。
予備校講師。
セミナー講師。
研修講師。
講演講師。
・・・・
「そんなの全部同じじゃないの?」と思っている方がいたら、その考え方を根底から変えて欲しいと思います。
まずは「研修」というものについて定義をします。もしあなたが会社員なら、その会社が企画した新人研修、管理職研修、◯◯研修といったものに参加したこともあるかもしれません。そのイメージを持って、簡単なエクササイズです。
あなたなりの表現で良いのですから、このエクササイズに絶対の正解はありません。あなたが納得できる言語化であればそれでOKです。(余談:私のエクササイズは絶対の正解がないものがほとんどです)
では私の答えをご紹介しましょう。繰り返しですが、私の答えとあなたの答えが違っても構いません。共通点(あるいは相違点)を楽しんでいただく発想で参加してください。
ここで注目して欲しいのは2つの単語です。
「支援」と「導く」
つまり研修講師の仕事とは、「支援」すること、「導く」立場であることです。
当たり前のことだとサラリと流してしまいそうなポイントですが、実はここが重要です。なぜなら、多くの方が研修講師の仕事を表現する際、次の言葉を使っているからです。その言葉とは、、、、
「教える」
そうです。「教える」ことが仕事だと認識している方がとても多いのです。もしあなたもその認識だとしたら、いますぐそれを変えましょう。
教える人 ×
導く人 ◯
「教えること」ではなく「できるように導くこと」が仕事なのです。つまり研修講師を探している企業やセミナー会社などは、「教える人」を探しているのではありません。「成果を出せる社員に導いてくれる人」を探しているのです。
ここまでメッセージは十分伝わっていると思いますが、念のため確認です。
いかがでしょうか。私たちの身近にもこの違いを実感できる例はたくさんあると思います。私もひとつ具体例を挙げておきましょう。
今回はこれくらいにしましょう。あなたもひとつ実感したことがあるはずです。そうです。研修講師という仕事は、とてつもなく難易度の高い仕事であるということです。
でも正しい努力をすれば、稼げて、人から愛されて、感謝される講師になれます。厳しいこの世界で10年稼ぎ続けてきた私がその証明です。(←自分で言う)
ではまた次回!
#2 講演・講義・研修の違いを説明できますか
さっそく本題に入ります。
皆様は「セミナー」という言葉を知っているはずです。さてそれはどんな場だと思って使っているでしょうか。
学ぶ場。
知る場。
出会う場。
・・・・
・・・・
実はこの「セミナー」と表現されるものの中には3種類あります。講演・講義・研修、です。言葉はご存知でしょう。
さて、この講演・講義・研修。皆様はどんな違いがあると思いますか。あるいはどのように使い分けているでしょうか。もしあなたが何らかのテーマで講師というものをされるなら、この違いをわかっていた方がいいと思います。なぜなら、講演する場で研修をやってしまったり、講義の場で講演を始めてしまったりする講師になってしまうからです。今回はそんな「素人は考えもしないこと」について深めていく授業にしたいと思います。
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