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「数字」は無力 〜「数字」から答えを出せないリーダー〜

深沢真太郎の「稼ぐ力がつく!数学的思考の授業」       
Vol.39   2020.5.12号


ビジネス数学教育家、深沢真太郎です。このマガジンはあなたの数学的思考力を飛躍的に高めるヒントをお伝えするものです。多くの大手企業やプロスポーツ団体などに採用されている研修プログラムがベース。実践し続けることでビジネスで使える数学的思考が身につきます。

数字と論理で考える力は説得力あるロジック作りに役立ちます。それはつまりビジネスコミュニケーションの質が劇的に高まる。それは突き詰めていけば、あなたの「稼ぐ力」を高める。これがこの授業のコンセプトです。

ではさっそく始めましょう!


【メイントピック】 「数字」は無力 〜「数字」から答えを出せないリーダー〜


本日も学びのためにお時間をとっていただき、ありがとうございます。こうして配信型の授業をしている私自身が、文字を綴りながら学んでいます。

よく考えると、学ぶとはひとりではできないことかもしれません。自分以外の誰かがいないと、学べない。例えば教師も教え子がいるから教えようとするし、教えようとするから学ぼうとする。

あらためてこの授業に参加いただいている皆様に感謝。さて本題へ参りましょう。


私の研修にご参加いただいたある方からこのような質問をいただきました。

>自分が読んだ数字が「真実」か「錯覚」か、どうすれば判断できるか?

なるほど。いい問いだなと思いました。データを読み解く。でもそれが正解なのか思い込みなのかわからない。どうしたら?? 確かに。私がした回答をそのままご紹介したいと思います。皆さんもぜひ読んでみてください。

<以下、質問の回答>
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「真実」か「錯覚」か判断するのに難しさを感じています、とのこと。

ひとつ重要なこと。
数字は「事実」を教えてはくれますが、「答え」を教えてはくれません。
数字はあくまで「仮の真実」、つまり「仮説」を作ることまでが役割なのです。

例えば今のコロナの錯綜する情報などはその典型です。
いつ何名が感染したかという「事実」ははっきり教えてくれます。
でも、いつ収束するかという「答え」は教えてくれません。
モデルを使って予測を語ることはできますが、それは「答え」ではなく「仮説」に過ぎません。
誰もいつどうすれば収束するかわかりませんよね。ビジネスもそれと同じです。
そういう意味では、データで「真実」など誰もわかりません。

「真の原因」など実は誰にもわからない。
やってみないとわからない。
3年後になってみないとわからない。

そういう話です。今回の研修でも学んだ構造化思考も同じだと思います。
「わける」と「つなぐ」で課題を構造化し、解決すべきものの優先順位を決めます。
でもその優先順位通りに実行して本当にその課題が解決できるかどうかは、やってみないとわかりませんよね。

私も現役時代、売上予測を数値で上司に示した時によく言われました。
「本当にその売上いくの?」と。
私の答えは「んなことわかりません。でもそうなると仮定して進めません?」です。

よく考えれば、この上司の質問は極めておかしいですよね。
魔法使いでもない限り、未来の数字がどうなるかなんて誰もわかりません。
「本当にそうなるの?」なんて質問をすること自体、本質がわかっていない証拠です。

「数字=答え」ではありません。
「数字→答え」です。

数字をもとに仮説を立て、それをもとに確かめ、実行し、結果が出て、初めてその仮説が正解だったことがわかります。ビジネスには正解がありません。
でも多くのビジネスパーソンが正解を欲しがり、データの中にそれを求めます。
失敗したくない、そう思っているからです。
でも、失敗したくないとビビっている人が、正解のない世界で成果を出せるものでしょうか。。。
私はそうは思いません。

データは大事です。
でもそこに「答え」はありません。

「真実」か「錯覚」か判断するのが難しいという問いに対する私の答えは、「どちらでもない」です。

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<質問の回答ここまで>


皆さんもお仕事をしていて、数字は用意できるけれど「でなんなの?」という問いにぶつかってしまうことがあるでしょう。

例えば。

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