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「知らんがな」を数値化するトレーニング



「知らんがな」を数値化するトレーニング

数値に置き換える作業が必要な仕事(思考)として代表的なものがあります。

フェルミ推定。

この記事をお読みくださっている方であればご存知のことかもしれませんが、念のためフェルミ推定について一般的な定義を述べておきます。

フェルミ推定とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。一見見当もつかないような量に関して推定し、具体的に数値で捉えるトレーニングをする。企業の採用面接において思考力を測る目的で使われる、あるいはビジネススキルの講座などで題材として扱われることもある。

注目いただきたいのは「一見見当もつかないような量に関して推定し、具体的に数値で捉える」という点。まさに数値化するという行為に他なりませんね。

さて、私は企業研修などにおいてこのフェルミ推定を「知らんがなの数値化」と命名しています。あくまで私の造語ですのでご了承ください。なぜこのような妙なネーミングをしているのか、簡単に説明しておきます。

フェルミ推定の問題として代表的なものをいくつか挙げてみましょう。

シカゴ市にピアノの調律師は何人いるか?

日本にはマンホールが何個あるか?

日本に「部長」は何人いるか?

まさにいま、山手線に電車は何本走っているか?

まさに、一見見当もつかないような量に関して推定し、具体的に数値で捉えるということですが、おそらくあなたは心の中でこう思ったのではないでしょうか?








だから「知らんがなの数値化」です。あなたの仕事においても、経営層や上司から「どれくらい?」と規模や量を尋ねられる場面があるでしょう。そんなときあなたは心の中で「知らんがな」と言いたくなるのではありませんか?

なぜ「知らんがなの数値化」がビジネススキルなのか、企業が採用面接で使うのか、十分に伝わったと思います。

ではここからは「知らんがなの数値化」が上手になるための思考法を学ぶことになります。私の経験上、上手な人はやはり勘所がわかっています。そしてその勘所とは、大きく2つあります。

①  分解・仮定・比較
②  統計学的な感覚

今回は①を解説していくことになります。もしご興味があれば次回の②も学んでみてください。

「知らんがなの数値化」として出題される問題のほとんどは、分解・仮定・比較の3つを組み合わせる(繰り返す)ことで攻略できるようになっています。

たとえばあなたが頻繁に通うカフェを想像してください。ご自宅の近く、あるいは職場の近く、想像しやすい店をテーマにしてください。その店の1日の売上高はどれくらいでしょうか? もしお時間と体力とやる気のある方は、実際に考えてみてください。

さて、実際にやってみた方は、あなたがその一連の行為においてしたことに注目して欲しいのです。結論となる数値は重要ではありません。所詮、単なる遊びのようなものです。

おそらくあなたがしたことは以下のようなものではないかと思われます。

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