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学校の先生がたにお聞きしたいこと

この記事は主に学校の先生に向けて書くものです。もちろんそういうお立場でない方でも、教育や人材育成に関心をお持ちの方であればお読みいただけるものだと思います。よろしければ最後までお付き合いください。

メッセージを一言でいうと

この記事のメッセージは、社会人教育に従事している者が、学校教育のプロフェッショナルの方にお聞きしてみたいこと、となります。


ビジネス数学教育家・深沢真太郎です

まずは簡単に自己紹介です。

ビジネス数学。人材育成。人材開発。教育。研修講師。講師養成。作家。20万部超(ベストセラー有)。単語レベルで自分を表現するとこんなところです。

できれば私のプロフィールなどはすっ飛ばしていただき、記事をお読みいただくことを優先いただければと思います。


ある学校の先生からいただいたメール

最近、学校の先生からメッセージをいただくことが増えたなと実感しています。ビジネス系の研修や講座、あるいは書籍を書いたり、メディアや動画で言葉を発しているからかもしれません。知っていただくこと、気にしていただけること、素直に嬉しく思っています。ありがとうございます。

ある日、某学校の先生からメールを頂戴しました。お会いしたことのない方です。私の著書を読んでくださったようで、丁寧に感想を添えてメッセージをお送りくださいました。以下はそのキャッチボールの内容です。

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とても気持ちの良いコミュニケーション。私も頑張らなきゃといい刺激をいただきました。ありがとうございます。

ふと冷静に考えてみました。

学校の先生は、学校教育のプロです。そのプロが、私のような社会人教育の人間にとても具体的な質問をしてくださっています。このメールの場合は「高校で身につけておかなければならない力とは?」という質問でした。とても嬉しく思っています。同じ教育に従事する者として、とても嬉しく思っています。それを前提に、あえて表現します。私はこうも思ったのです。

「なぜこの高校の先生は、私にそれを質問するのだろう?」

「高校で身につけておかなければならない力とは?」という問い。その答えは他でもなく高校の先生や教育委員会の偉い人(雑な表現で申し訳ない)が持っているものではないのでしょうか。

私はこのほんのわずかな違和感を、少しだけ深掘りしてみたい衝動に駆られました。



「社会」を知らない学校の先生

誤解して頂きたくないのですが、私は学校の先生方に何かモノを言いたいわけではありません。教育の仕事は他人には到底理解できないほどの激務であり、数学の方程式のようにキレイに解けない難しさがあることは理解しています。素晴らしいお仕事をされていて、本当にありがとうございます。

一方でひとつの事実として、「社会」「世の中」をあまりご存知ないという側面もあるのではないでしょうか。上述の先生のメッセージにも、私はそれを感じました。実際にビジネスを経験し、そしてビジネス人教育を専門としている私にあの質問をしてくださったことの意味は、きっとそこにあるように思ってなりません。

たまたま先日ですが、ある動画が話題になっていると知りました。

メンタリストDaiGoさん。あまりに有名な方なのでYouTubeや書籍、あるいはテレ部などで見たことのある方も多いでしょう。あるyoutube動画で、DaiGoさんは母校の先生からされた不快な行為について語ってくれています。ご覧になっていない方はぜひ観てほしいと思います。


母校から動画(コメント)を消せと抗議が来たので、すべてお話します。

2021.8.15 著者より追記
本日、この記事でご紹介したDaiGo氏のある発言が世の中で問題になっていると認知。上記にてご紹介した動画はあくまで本記事における著者の主張を補うための素材として活用したものであり、現在の(差別的な)問題発言を理解・容認するものではございません。 追記以上。


受け取り方は人それぞれですが、私は100%共感する内容でした。DaiGoさんのおっしゃること、憤る意味、よくわかります。そしてこの動画の後半で、「社会人経験がない先生」というニュアンスの言及がありました。おそらくDaiGoさんはここを強く訴えたいのではないかと思いました。ご本人もおっしゃるように、すべての学校の先生が悪いと言いたいのではありません。いい先生ばかりです。

しかし一方で、確実に存在することがひとつあります。

「社会」を知らない学校の先生が、これから社会に出ていく人を教育しているという事実です。

これは現場の先生が悪いわけではありません。制度、あるいは構造上の問題です。だから構造を変えない限りこの問題は解決しません。しかし「構造上そうなっているから仕方ないよね〜」「まあ理想はそうだけどさ〜」という諦めは教育のプロとして失格だと思います。そのセリフを生徒さんや生徒の保護者の前で言えますか?


数学を勉強する意味を知らない大人

私はビジネス数学教育家として、ビジネス人の数字・論理・数学的リテラシーの育成を専門として活動しています。

ゆえに本業でたくさんのビジネスパーソンとお会いし、(まさに)生の声をたくさん聞きます。その声とは、このようなものです。

「わたし、数字アレルギーなのでデータ分析とか無理です」
「算数は得意だったけど、数学になってダメになりました」
「数学なんて勉強してなんの役に立つのか、結局いまでもわかりません」
「早々に数学は諦めました。でももし数学ができていたら、ぶっちゃけ人生変わっていたと思います」

彼らに共通するのは、(数学に限りますが)学生時代の机上の勉強と未来の営みが接続されていないという点です。

しかしもし教師が「社会」や「世の中」を知っていたらどうでしょう。その接続までできるのではないでしょうか。方程式の解き方を教えるのではなく、方程式を解く行為を通じて何かを教える。そんな授業ができるのではないでしょうか。方程式を解けるようにして喜ばせるのではなく、方程式が解けることは自分の人生にどんないいことをもたらすのか、その可能性を見せてあげることが役割でしょう。



学校の現場にお邪魔した経験

決して多くはありませんが、中学校や高等学校にお邪魔して講演や特別授業をさせていただくこともございます。

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このような場で私が徹底して生徒の皆さんにお伝えしているのは、このようなことです。

「どんな世界でも活躍できる人は、Aという能力が優れいている。そのAという能力は実は学生時代の数学の授業でも身につけることができる。だから数学をちゃんと勉強しておいて欲しい」
「いま数学を勉強する意味って、こういうことなんだよ」

これは学校の先生ではなく私のような「外にいる人間」が話した方が伝わるものかもしれません。そしてこの「外にいる人間」の話には価値はある。だから私はいくつかの学校から「呼ばれた」のだと思います。



私がインストラクター育成をしている理由

私がビジネス数学インストラクター制度を立ち上げ、ビジネス数学を指導できる方を養成しているのはこのような理由によるものです。

認定講師は経営コンサルタント、税理士、ファイナンシャルプランナー、企業の取締役、会社員、起業家支援をするイマドキなフリーランス、、、、実に様々です。

「社会」「世の中」を知っている人も、教壇に立つ世の中へ。

そういう世の中にしたいと思っての活動です。誤解してほしくないことがあります。私が「も」と表現していることです。学校の先生は学校教育のプロです。私にはできないことができる人たちです。一方で、私を含めビジネス数学インストラクターのような指導者だからこそできることもあると思います。

学校教育のプロも、社会人教育のプロも、リスペクトし分担して、学校の教壇に立つ世の中。

「も」です。誰にとってマイナスになるでしょう。プラスでしかない。そう思います。私は本質的にはそれを目指しています。だから学校の先生からのメッセージを歓迎しているのです。本質的な対話をもっとしたいから。



逆に学校の先生にお尋ねしてみたいこと

ゆえに、逆にお尋ねしたいこともあるわけで。

学校の先生たちは、私のような社会人教育のプロに対して何を求めていらっしゃるのでしょうか。

「別になんも求めていないよ」

ということかもしれませんが(笑)、それは少しばかり寂しいですね。少なくとも冒頭でご紹介した某高校の先生は、プライドを捨てて、わからないものはわからないと素直になって、尋ねるべき人に尋ねるという行為をしています。素晴らしいなと心から尊敬します。

私も学校教育のプロではありませんし、現場を知りません。だからわからないことばかりです。わからないものはわかりません。だから教えて欲しい。そう思っています。学校の先生たちは、私のような社会人教育のプロに対して何を求めていらっしゃるのでしょうか。

もっといい授業になるために。

もっと生徒さんたちの未来に接続できる教育をするために。

私が協力できることは何なのでしょうか。

ひとつだけ確かなことは、学校の数学の授業は数学を教える場ではないということ。数学というツールを使い、その子たちがいずれ好きな人生を選ぶことができ、活躍し、幸福を手にするための身体(アタマ)に育てることです。



結局は「共に頑張りましょう」という結論

答えをお持ちの方がいれば、よろしければこちらのフォームからメッセージをいただければ嬉しいです。お名前や所在、お仕事などを明らかにしてお願いします。

なぜこのような面倒なオペレーションにしているかと申しますと、(言い方はアレですが)ちゃんとした人のご意見だけ聞きたいからです。仕事柄、しょーもない人からの批判や本質的でない暴言を受けることがあります。そして残念なことに、そのような人たちは全員、身分を明らかにせず、100%守られた場所から石を投げてきます。そしてそれは誠に残念なことにいわゆる「数学好き」や「塾なり学校なりで数学を教える仕事をしている人」だったりします。本当に残念でならない。

私はそんな人を相手にするほど暇ではありません。お名前や所在、お仕事などを明らかにできる、良識あるちゃんとしたプロの人の話を私は聞きたい。そう思っています。

このようなめんどくさいプロセス(笑)を通じてでも対話ができる方であれば、きっと良い意見交換もできるでしょうし、もしかしたらお互いサポートしあえる関係になれるかもしれません。それはきっとどこかで誰かへの教育を良くすることになるはず。そう信じて、私はこの記事を書きました。

最後までお読みくださりありがとうございます。

どちらが良いか悪いかではありません。誰も悪くありません。このような記事をきっかけに、「どうすればあの子たちにとって一番いいものが提供できるのかな」という対話が、教育に従事する者どうしで生まれればそれでいいのだと思います。上述の高校教員の方からのメッセージをきっかけに対話が生まれたように。

お互い、頑張りましょう。

今回の内容は映像でも。





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