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【無料公開】 「数学を人生に役立てることができていないすべての人」にこの記事を捧ぐ。



★この記事を読んでいただきたい人

・かつて数学を学んだ理由が未だわからない人
・いま(あるいはこれから)数学を学ぶことに理由が必要な人
・ビジネススキルを磨き、仕事で成果を出したい人
・これまでの自分の人生に納得していない人
・豊かさを手にしたい人

★ビジネス数学教育家・深沢真太郎(ふかさわしんたろう)

BMコンサルティング株式会社代表取締役
一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事
明治大学客員研究員
プロフィールは公式WEBサイトで。

こんにちは。
私は国内において数字に強いロジカルパーソンを育成する専門家として活動しています。「ビジネス数学教育」とは学校で学んだ数学をビジネスの現場で生かすために必要な考え方・使い方を身につける学習・教育活動です。

数字に強く、論理的な人材を育成するべき。誰もが頷く理想です。しかし従来の数学教育は優秀な理系人材を育成する反面、「数」や「論理」といった極めて重要なものを苦手にさせてしまう一面もあります。ビジネスパーソンに必要な「数」と「論理」のトレーニングとは何か。たどり着いた答えが「ビジネス数学教育」という新しいアプローチ。受験に通過するための算数や数学、あるいは理系分野の専門知識ではなく、将来ビジネスパーソンとして活躍するための「数学的リテラシーの教育」はこれからの時代に必須と考えます。

企業が研修に導入する。教育機関が授業に取り入れる。気づいた学生やビジネスパーソンが自ら学ぶ。多数の実績がその重要性を証明しています。


★誕生秘話 〜「数学的」な仕事術大全〜

2022年2月4日(金)。
私の公式WEBサイトに1件の問い合わせがありました。大手出版社である東洋経済新報社の書籍編集者からです。

ご了解をいただき、全文そのままをここでご紹介します。

↓  (ここから) ↓


[書籍執筆のご依頼]
深沢 真太郎さま

はじめてご連絡させていただきます。
私、東洋経済新報社という出版社で
書籍の企画・編集をしております近藤彩斗と申します。

突然のご連絡、大変申し訳ございません。

先日、ご著書『数学的に考える力をつける本』を拝読しました。
「数学コトバ」という考え方が、まさに目からウロコ、大変感銘を受けました。

「数学コトバ」を意識することで、企画会議など説明が求められる場で
「つまり、どういうこと?」といわれることが一気になくなりました。

ビジネスの場における「数学」の重要性を痛感し、
ぜひとも「数学」をテーマにした書籍を深沢さまと作りたいと考え、ご連絡させていただいた次第です。

深沢さまのご著書を色々拝読するにつれ、
『論理的・数学的に「考える」「伝える」「読む」「書く」「話す」 ビジネススキル大全』(仮題)のような

・数学的思考法と、その具体的な応用方法を網羅し
・それぞれのタームで、ご著書『数学的思考トレーニング』にて紹介されているような演習問題がある
・ビジネス数学の決定版、集大成のような本

ができれば、これまでにない「良い本」ができるのでは、と考えております。

「1冊あれば色々なことがわかる!」という欲張りな本が、
最近続々とベストセラーになっていることもあり、
読者のニーズにも合った「売れる本」にもなり得るかと思います。

もちろん、上記テーマはあくまで「たたき台」で、
それに固執しているわけではございません。

深沢さまのご興味のあるテーマ・内容を最優先にしつつ、
読者の方が買ってくださるようなものに
柔軟に作り変えていければ、と思っております。

つきましては、唐突なお願いで大変恐縮ではございますが、
もし少しでもご興味をお持ちいただき、前向きにご検討いただけるようでしたら、
一度ご相談のお時間を頂戴することは可能でしょうか。

ご多忙のところ大変恐れ入りますが、
ぜひ前向きにご検討いただけますよう心よりお願い申し上げます。
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(株)東洋経済新報社
出版局編集第二部 近藤彩斗


↑  (ここまで) ↑


私はこれまで30冊以上の書籍執筆をしてきましたが、何度あってもこのような問い合わせやご依頼は嬉しいものです。期待されていること。頼られていること。言葉にしなくてもそれが伝わる瞬間だからです。生きている人間なら、誰もが心踊る瞬間ではないでしょうか。

過去と比較することに意味はありません。それでも比較すると、近藤氏のこのお問い合わせに私は「過去イチ」心が震えました。

ビジネス数学の決定版、集大成のような本

ちょうどビジネス書の作家として10周年を迎えるタイミング。まさにそんなことをぼんやり考えていた時でした。この記事の読者の中には反論したい方もいるかもしれませんが、私はビジネス数学という分野では「孤独」だと思っています。未だ、私と同じレベルで、私と同じ活動を、私と同じ情熱で、行なっている人を知りません。私が知らないだけかもしれません。だとしたら申し訳なく思います。他人に興味がない性分。私が自分のことを自ら「国内唯一」や「第一人者」と公言するのもこんな理由からです。この世は、とりわけ大人の世界は、特にビジネスの世界は、「公言してリスクをとりそれでも結果を出した人の言葉」だけが聞いてもらえる世界だと思っています。

実際、東洋経済新報社さんが「決定版」を書いてほしいと私にご相談されるその事実がすべてかと思います。私の能力が高いからではありません。公言してリスクをとり、誰に何を言われようと自分を貫いて活動してきた人間の言葉に価値があると判断したからでしょう。そして「集大成」とは、誰よりも何かを徹底的に突き詰め、誰よりも徹底的に行動し、世の中に認められた者だけに許される表現でしょう。

念のため説明しておきますが、東洋経済新報社とはビジネス書や経済書などの発行を専門とする日本最大級の出版社。日本で最も古い創業時期を持つ出版社の一つであり、ジャーナリスト、政治家、教育者であった石橋湛山が主幹を務めたことでも知られています。

私のこれまでの活動は、間違っていなかった。

近藤氏の言葉は、私にそう思わせてくれました。光栄なことです。生きていてよかった。この活動をしていてよかった。私という人間が深沢真太郎でよかった。「過去イチ」心が震えたというのは、そのような理由によるものです。

これを機に近藤氏と対話を重ね、私はこれまでの10年間を振り返り、整理を行いました。決定版です。集大成です。アーティストであれば「ベストアルバム」です。妥協は許されません。この作品がすべて。そう断言できるものにしなければなりません。

これまで私は何をしてきたのか。誰に何を提供してきたのか。あらためて、ビジネス数学を教育するとはどういうことなのか。深く海に潜り、もがき苦しみます。私のしてきたことが偽物ならば、それを自ら露呈させる行為です。深く海に潜ることは恐怖です。しかし私は確かな答えを見つけて地上に戻ってきました。その景色は潜る前と同じはずですが、どこかでより鮮やかに、美しく、そしてシンプルに見えました。

筆が動きます。その作業は、これまで企業研修やセミナーでお会いしてきた皆様、私の著書を読み愛してくださった皆様、私に数学を教えてくれた皆様、私にビジネスを教えてくれた皆様、私に教育というものの尊さを教えてくれた皆様、私を産み育ててくれた人や家族。いろんな人たちとの対話に他なりません。

これは(妙な喩えですが)私と近藤氏とで子供を作るような作業です。プロ同士が対話をし、通わせ、要求し、応え、唯一無二のものを創造するのです。

数字や論理とは、無機質で血の通わないものです。そんな血の通わないものを論じる作業に、とても血の通った営みが求められる。数学を論じるのは簡単です。しかしそれを(ちっとも数学的でない)人間という生き物の体内に入れるのは、極めて難しい作業なのです。伝わるでしょうか。

This is Business Mathematics.
This is Shintaro Fukasawa.

そんな1冊が完成しました。2024年2月。あのご連絡からちょうど2年です。


「数学的」な仕事術大全 〜結果を出し続ける人が必ずやっている〜 
深沢真太郎 著  東洋経済新報社 刊

https://www.amazon.co.jp/dp/4492534717

自信を持って「決定版」「集大成」と言えるものになりました。「ああ、この1冊を書くためにこれまでの30数冊はあったのだな」と素直に思える自分がいます。

ビジネス数学とは結局なんなのか。
深沢真太郎というひとりの教育者はいったい何をしてきたのか。

すべてここで表現されています。

・かつて数学を学んだ理由が未だわからない人
・いま(あるいはこれから)数学を学ぶことに理由が必要な人
・ビジネススキルを磨き、仕事で成果を出したい人
・これまでの自分の人生に納得していない人
・豊かさを手にしたい人

本書に答えが表現されています。

そのことを信じていただくために、実はこの記事で本書の「はじめに」と「目次」を無料公開することにしました。もちろん東洋経済新報社さんの了解を得ています。

一般論として、本(特に実用書やビジネス書)は「はじめに」でほとんどが表現されています。これはたとえば初対面の人と会ったとき、最初の5分間ほどの会話でその相手がどんな人かがほとんどわかることに似ています。

好きだな。嫌いだな。
アリだな。ナシだな。
似ているな。違うな。
斬新だな。平凡だな。
使えそうだな。使えなさそうだな。

最初の5分間で、ほとんどわかる。そうです。書籍における「はじめに」と「目次」とは、その最初の5分間なのです。

国内唯一のビジネス数学教育家である私が、この地球上に広めたくて、ばら撒きたくて、そして誰かを救いたくて絞り出した言葉。

はじめまして。深沢真太郎です。
よろしければ5分間、私と対話してみませんか。

では、どうぞ。


★「数学的」な仕事術大全 はじめに

成果が出る→仕事を楽しめる→人生が豊かになる

まずは本書に興味を持ってくださりありがとうございます。それだけでも嬉しいのですが、よろしければひとつの問いにお付き合いください。

多くの大人が職業に就くという選択をします。あなたもそのひとりかもしれません。そんなあなたにとって、もっとも欲しいものはなんでしょうか。 この問いに対してどんな答えが浮かびますか。

「やりがい」
「お金」
「同じ志を持った仲間」
「仕事のことを忘れられる時間」

個人的にはどれも共感するものばかりです。私も職業を持つという人生を選んだひとりです。あなたの答えをリスペクトしたうえで、自分なりに考えてみました。

「成果」

とてもシンプルな言葉が浮かびました。結局のところ私は成果が欲しいのだと思います。
成果が出たからやりがいが生まれるのではないか。成果が出たから経済的な余裕が得られるのではないか。成果が出たから周囲に信頼され、いい仲間ができるのではないか。成果が出たからいろんな意味で余裕が生まれ、時間を自由に使えるようになるのではないか。私はそう思うのです。

そして職業に就くという選択をした人は、やはり仕事で成果が出たからこそ人生が豊かになるのではないでしょうか。
多くの人がおっしゃる「仕事がすべてではない」とはそのとおりですが、 一方で現実はどうでしょう。多くのビジネスパーソンは人生において使える 時間の多くを仕事に費やしているはずです。もっとも多くの時間を使っているのにそこで満足感を得られていないとするなら、これほど悲しいことはないと思います。

もちろん仕事というものに対する考えは人それぞれであり、私の価値観をあなたに押し付けるつもりはありません。ですがもしここまでの内容にほんの少しでも感じるものがあったのなら、もう少しだけお付き合いいただけると嬉しいです。
本書はすべてのビジネスパーソンが仕事で成果を出すためのスキルを身に つけ、その結果として人生が豊かになることを願って誕生した 1 冊だからです。

数学で学んだことをビジネススキルに変換する

自己紹介が遅くなりました。ビジネス数学教育家・深沢真太郎です。職業は、数字に強いロジカルパーソンを育成する「ビジネス数学教育」を提唱する人材育成の専門家です。
学生時代、とくに高校から大学院まで数学に夢中になりました。私の考え方、話し方、生き方は数学が大きく反映されています。

私は大学院まで数学を専攻し、卒業後は塾・予備校業界で数学を教える仕事に就きました。
しかしながらその業界は私の肌にまったく合いませんでした。というのも、これから社会に出ていく学生たちに教えていることが本当に社会で役に立つのか、私自身わからなかったからです。受験指導を否定するつもりはあ りません。あくまで私には合わなかったということだと思います。

私は思い切って他業界に転職し、ごく一般的な会社員というものをゼロか ら経験しようと考えました。そこで転職先に選んだ業界はファッション業界。職種はなんと販売職でした。当時の私はこのように考えていたのです。

自分のようなタイプの人間がもっとも選ばない、すなわち自分のような数字やロジックで物事を考え、いちいち理論で話すことが大好きな人が少ない業界を選んでみよう。なぜなら、少ないということは稀有な存在になる可能性が高く、自分の特技や経験に価値が生まれたり、その業界の人たちが苦手なことを任せてもらえるのではないか。

実際のところ、ファッション業界には感性で仕事をする人がとても多かったように思います。すなわち、私のようなタイプは良くも悪くも「異物」 だったはずです。
論理 100%(?)の理系学生を経て数学講師になった若者がある日突然、 真逆の世界ともいえるアパレルショップの販売員として接客をしている。こ んなキャリアチェンジをする人はおそらくそういないでしょう。
これだけで同僚からとても面白がられ、彼らの苦手なデータのチェックや分析などを任され、少しずつ自分にできる仕事と信頼を獲得していったように思います。

ちなみに「人が多い・少ない」「可能性が高い・低い」とはまさしく量的な概念で比較をした行為であり、「なぜなら」とは頻繁に数学でも使われる、いわゆる論理的な言語の代表格です。
これが(ほんの少しですが)私が数学というものをビジネスにおいて活用し、成果を得た事例のひとつです。私にとってこの経験はとても大きなものでした。

この事例を通じてあなたにお伝えしたいことが 2 つあります。

★ご紹介した私の考え方には、間違いなく数学が存在しているということ
★数学を学ぶことで得た能力はビジネススキルになり得ること

およそ 2 万人から教えてもらった真実

そのような経験をしたからでしょうか。私はその 10 年後にビジネス数学教育家という生き方を選び、「数学教育とビジネススキル」という研究テー マを掲げ、数学を学ぶことで得られる能力を働く人のスキルに変換し、育成コンテンツとして世の中に広め始めました。
この職業を選んでまる 12 年が過ぎましたが、ありがたいことに現在は大 手企業やプロ野球球団、トップアスリート、学校教員の皆様への研修ツール としてご相談をいただけるようになりました。

ご存知かと思いますが、ビジネスパーソンは数字を活用したり、論理的に考えたり、定量的な説明をすることが求められます。これは入社 1 年目でも 経営者でも同じです。
すなわち私の活動テーマであるビジネス数学教育とは、職業に就くという人生を選んだ人にとって必須の基礎スキルを指導することです。

私はこれまでおよそ 2 万人のビジネスパーソンと研修やセミナーの場でお 会いしてきました。私を信頼してくださりご縁をいただいた企業はおよそ 100 社を数えます。この12 年間、1 日も休んでいないと仮定すれば、単純計算で毎日およそ 4.6 人ずつビジネスパーソンに指導を提供したり、対話を してきたということになります。
この数字が多いか少ないかの評価はあなたに委ねますが、ひとつたしかなことは私がこの活動で得た経験や目の当たりにした真実は実に多くの学びをもたらしたということです。大袈裟ではなく、本当に、私は人材育成の現場でたくさんのことを知りました。簡潔に表現してみます。

現代のビジネスパーソンは、基礎スキルを持っていないのに、難しいことをやろうとしている

たとえば職場の生産性を上げる。大勢の人の前で魅力的なプレゼンテー ションをする。社内に蓄積された膨大なデータを活用する。どれも実現できたらいいなと思いつつ、実際はとても難しいことです。そして難しいことをやろうとするならば、それより簡単なこと、基本的なことはできるのが前提のように思います。
しかし現実はそうではありません。数字が読めない。「何が言いたいのかわからない」と評される説明をしてしまう。手段と目的を混同してしまう。 そんなビジネスパーソンがたくさんいます。そしてそんな彼ら彼女らにいま企業は、そして世の中は、とても難しいことを要求しているように思えてなりません。
もちろんそれは現代のビジネスパーソンが悪いわけではありません。誰が 悪いと犯人探しをするつもりもありませんし、誰も悪くないのだと思います。
ただひとつだけ個人的な感想を申し上げるなら、すべてのビジネスパーソンが基礎スキルを身につけられる教育が(少なくとも)日本にはないのだろ うということです。
私がこの 12 年間、ビジネスパーソンの皆様に基礎スキルを指導し続けてきた理由はここに集約されます。

そもそもビジネススキルとは?

ところで、ビジネススキルとはなんでしょうか?

私が基礎スキルと申し上げているものもまさにビジネススキルと呼ばれるものです。あなたも普段から当たり前のように使うであろうこの単語。じつは人によって定義がばらばらであったり、具体的でなかったりします。本書を読んでいただくあなたには、ぜひとも私の考える定義を共有させてください。

まずは代表的な定義をご紹介します。

仕事で使うスキル

なるほど。間違いありません。しかしもう少しだけ具体的にならないで しょうか。

仕事で成果を出すためのスキル

いいですね。だいぶ良くなったように思います。使うことが目的ではなく、あくまで成果を出すことが目的です。さらにもう少しだけ具体的にならないでしょうか。

これから先どんな仕事をすることになっても成果を出すためのスキル

とてもいいですね!

あなたはずっといまの職業を続けるとは限りません。同じ会社に勤める会社員だとしても、部署が変わったり昇格したりとさまざまな変化があることでしょう。時代の変化もそのスピードが一気に速くなりました。いま必要なことを学んでも、あっという間に過去のものになってしまいます。
もしあなたがこれから先も職業を持つという選択をする可能性があるなら、もっとも重要なことはひとつしかありません。これからどこに行って も、どんな仕事をするとしても、共通して必要となる基礎スキルを身につけることです。

成果を出している人は、数学的な仕事の仕方をしている

ではそれはいったいどんなスキルなのか。これまで 2 万人のビジネスパーソンから教えてもらった結論があります。

成果を出している人は、数学的な仕事の仕方をしている

おそらくあなたは「数学的な」という表現に違和感があったり、あるいはスッと腹に落ちない心地悪さを感じているのではないでしょうか。もしそうだとしたら、ぜひ喜んでください。そしてその感覚を大切にしてください。 なぜなら違和感や心地悪さを覚えるということは、新しい概念や知らない言 葉と出会った証拠です。これまで突破できなかった壁を突破できたり、これまで見えなかった景色が見えるようになる可能性があるのです。

詳しくは本編を楽しんでいただきたいのですが、ひとつ重要なメッセージを共有しておきます。

私はあなたに数学の学び直しをして欲しいわけではありません。仕事をする場面において、数学のように身体を動かして欲しいのです。そうすれば自動的にあなたは成果を出すためのスキルを使う(使えている)ことになるのです。

たとえばあなたの職場にいる「仕事ができる人」を何人か想像してください。その方々は全員が学生時代にどっぷり数学を勉強した人物なのでしょう か。円周率を100 桁まで言えるのでしょうか。数学者が発見した公式の美しさを語れるのでしょうか。おそらくそんなことはないはずです。
しかし仕事のさまざまな場面において効果的に数字を活用できたり、短時間で市場規模を概算できたり、わかりやすく論理的な説明ができたり、無駄のないスッキリとした文章が書けたり、データとグラフが見やすい資料をつくったり、投資と回収のストーリーをうまくつくって上司や経営層を説得しているのではないでしょうか。

つまり仕事ができる人たちは徹底的に数学の勉強をしてきたのではなく、 仕事の仕方が数学的なのです。数学を理解しているのではなく、数学のように身体を動かしているのです。

私は数学的に生きている

そろそろまとめましょう。
お気づきかもしれませんが、ここまでの内容に「人生」という言葉が何度か登場しました。表面的にはビジネススキルの話に見えた(読めた)かもしれませんが、その奥にあるテーマは人生です。

私はこの原稿を書いている時点で 48 歳になりますが、これまでの人生に は前半と後半があったと思っています。人生の前半に名前をつけるとするな ら、「ごく普通に生きてきた」となるでしょうか。とくに象徴的な言葉が思 い浮かびません。しかし後半の人生に名前をつけるなら、はっきりとある言 葉が思い浮かびます。

「数学的に生きている」

そして前半と後半を比較したとき、はっきり断言できることがあります。 それは、数学的に生きているいまのほうが豊かな人生であるということです。
人生の分岐点において正しい選択ができたこと。いろんな仕事を任されるようになったこと。時を経てそれを多くのビジネスパーソンに指導する立場になったこと。その立場がますます私自身を成長させ、結果として私の人生にはますます「数学的」が増えたこと。きっと笑顔も増えたはずです。

本書は私が後半の人生で実践したものと得たものを「数学的なビジネスス キル」として余すことなくすべて詰め込んだ 1 冊です。書かれていることはすべて、数学を学びなおすことなく、いまからあなたの仕事の仕方が数学的に変わる技術です。はたして信じていただけるでしょうか......。

最後に根拠を示しておきます(じつはこれも数学的な仕事の仕方だったりします)。

【数学】
著者は学生時代に数学に夢中になり、そこで得たものを使って仕事や人生を切り開いてきた

【ビジネス人の育成】
この 12 年間、毎日 4.6 人ずつ、ビジネスパーソンのリアルな姿を目の当たりにし、基礎スキルを指導してきた

【信頼と品質】
大手企業やプロ野球球団、トップアスリート、学校教員の皆様への研修ツールとして採用し続けていただいている

仕事で成果を出すのはとても難しいことです。私も職業人であり、それを痛感しています。うまくいかないことも多いかもしれません。心がつらい人もいるでしょう。
でも一方で、さまざまな選択肢がある中で、職業に就くという人生を選んだのはあなた自身です。この揺るがない事実から逃げていては、いつまでも本当の意味で幸せにはなれないのではないでしょうか。

だから最後にあえて申し上げます。この言葉はあなたに向けてでもあり、 著者である私自身に向けてでもあります。

「成果を出しましょう!」

私はあなたにそのための武器をプレゼントします。これから先どんな仕事をすることになっても成果を出すために、ぜひ最後までお付き合いください。


★「数学的」な仕事術大全 目次




★数学を人生に役立てることができていないすべての人へ

「はじめに」と「目次」を最後まで読んでいただきありがとうございました。

あなたは何を感じたでしょうか。どこに共感し、あるいはどこに「引っ掛かり」や「違和感」を感じたでしょう。その共感や違和感はとても大切なサインです。あなたの人生に必要なことだというメッセージだからです。どうか、大切にしてください。

答えが欲しいと思った方は、ぜひ本書をあなたの本棚に。amazonでもちろん購入は可能ですが、ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。気絶するほどカッコいい装丁(カバーデザインのこと)と、上質な紙を使った風合いがたまりません。担当編集者である近藤氏が苦しみ抜いた末の渾身の作品です。

数学を人生に役立てることができていないすべての人へ。

もしあなたがこの記事をここまで読んでくださったなら、間違いなく必要な本です。ご感想をお待ちしております。最後まで、ありがとうございました。


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