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中学受験最頻出の『クラスメイツ〈後期〉』(著者:森絵都)を紹介します!あらすじ(一部)と国語の入試問題の内容を紹介します!

■『クラスメイツ〈後期〉』(著者:森絵都)について

クラスメイツ〈前期〉』はまだ誰がどういう子で、どうなっていくのかわからなくて読んでいきましたが、『クラスメイツ〈後期〉』になると、だいぶどういう子たちが1年A組にいるのかがわかり、クラス全体でまとまりも出てきて、合唱コンクール、ボランティア実習、1年A組解散パーティへと盛り上がっていきます。ですので、前期以上に後期の方があっという間に読めてしまいます。

1年A組の仲間が身近に感じられてきますので、〈前期〉〈後期〉通して読めるとより楽しめます。
ですが、〈前期〉同様、1つ1つの話は語り手が違うので、短編のように読むこともできます。

2015年度第2回海城中学校2015年度第1回法政第二中学校2015年度第1回日本女子大学附属中学校2015年度第1回三輪田学園中学校、2019年度青山学院横浜英和中学校の国語の入試問題で出題されました。

◆2015年度第2回海城中学校の国語の入試問題

大問1番で、「第15章 見いつけた 田町」から出題されました。文庫で約10ページ分が試験問題になっています。大問2番は論説文で、大問2番までですが、どちらも長い文章で、どちらにも1問長い記述問題(110字、80字)があります。読むスピード、書くスピード、どちらも要求されています。

大問1番の設問形式は、漢字が1問、「会話文が誰の発言か」を問う記号選択問題が1問、4択の記号選択問題が8問、100〜110字の記述問題が1問で全部で11問出題されました。

◆2015年度第1回法政大学第二中学校の国語の入試問題

大問3番で「第14章 伴奏者 心平」から出題されました。文庫で18ページある章から中略が4回入り、5〜6ページ分くらいが削除されて、約12ページ分くらいが試験問題になっています。

大問3番の設問形式は、5択記号選択の問題が6問、脱文挿入が1問、抜き出しが2問です。選択肢の文章も長めで5択です。大問1番は漢字・慣用句・ことわざ、大問2番が論説文でした。

◆2015年度第1回日本女子大学附属中学校の国語の入試問題

2015年度第1回の大問1番で「第18章 プラタナスの葉が落ちるころ このちゃん」から出題されました。正直この章は、読んでいて一番難しい章だなと思ったのですが、出題されてしまいました。ボランティア活動に老人ホームに行ってお手伝いをするのですが、そこで感じるいろんなこと、あふれ出てくる思い、かなり繊細な感情が表されています。

文庫で21ページある章から少しずつ割愛されながら、全文出題されています。中略の記載なく、部分部分が削除されている形です。少し縮まった程度なので、長いです。
大問1番の設問形式は、記号選択が1問、自分のことばで書きなさいという自由記述の問題が4問、抜き出しが2問、語句の問題が1問でした。大問2番は日本経済新聞から短めの文章が出題されていました。

◆2015年度第1回三輪田学園中学校の国語の入試問題

なんと、三輪田学園でも、2015年度第1回で「第18章 プラタナスの葉が落ちるころ このちゃん」が出題されました。三輪田学園では、この「プラタナスの葉が落ちるころ」だけで設問21問出題です。文庫で21ページある章から中略がほんの少しと最後の部分合わせて3ページ分くらい削られて、約18ページ分出題されています。
設問形式は、漢字の読み書きで2問、記号選択問題が11問、字数制限つき記述問題が3問、抜き出し問題が5問でした。

◆2019年度青山学院横浜英和中学校の国語の入試問題

大問5番で「第13章 秋の日は…  久保由佳」から全文(文庫で17ページ分)出題されました。
大問1番は漢字の読みと書き、大問2番は漢字の挿入、熟語の組み立て、四字熟語、大問3番は随筆文の段落整序問題、大問4番が説明文で大問5番まででした。

大問5番の設問形式は、段落分けの問題が1問、語句の挿入が1問、4択記号選択の問題が5問、慣用句が1問、抜き出しが2問、自由記述問題が1問で、問11まででした。

■『クラスメイツ〈後期〉』より「プラタナスの葉が落ちるころ このちゃん」あらすじ

このちゃん率いるチームSのメンバーは、ボランティア実習で、特別養護老人ホームに行くことになった。最初に玄関先の掃き掃除をして、その後は5人別行動で担当者のお手伝いに行く。

このちゃんは、寝たきりの老人の居室に行く。おじいちゃんにりんごジュースを飲ませてあげると、おじいちゃんはとんかつが食べたいと言う。このおじいちゃんは、病院食しか食べれないのだ。同じような境遇のお年寄りたちがたくさんいた。そんな時、ゆうかが泣きながら廊下へ走って行く。ゆうかは以前に美奈とケンカしてひどいことを言ってしまったことを、お年寄りたちとおしゃべりしている間に思い出したのだ。泣き出したゆうかをおばあちゃんたちが一生懸命慰めてくれる。おばあちゃんたちも他人のためになりたいのだから。
このちゃんは張り切っていたわりに、なんだか空回りのボランティア実習だったけど、この日のことをずっと忘れないでいようと思う。

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