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『夏の体温』(著者:瀬尾まいこ)は鴎友学園女子中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容・あらすじを紹介します!

■『夏の体温』(著者:瀬尾まいこ)について

この本は
・夏の体温
・魅惑の極悪人ファイル
・花曇の向こう
の3つの短編集です。

出題された「夏の体温」は小学3年生の男の子が主人公で、この男の子の目線で語っているので、小学生にも共感しやすく読みやすいです。
ただ内容は、「主人公の瑛介が血小板が減少してしまう病気で1ヶ月以上入院しているところに、低身長の検査のため、小学校3年生の男の子壮太が数日入院となってやってくる。すぐに友達になり、退屈な入院生活が一転楽しい日々となるが、別れもすぐに来てしまう。」と、病院内の話となるため、受験問題としては気持ちを読み取るのが難しいかもしれません。

魅惑の極悪人ファイル」は大学生の話で、面白おかしくもあり、納得させられるいい短編作品で小学生でも読めますが、受験向きな話ではないので、小学生は飛ばしてもいいかもしれません。

花曇の向こう」は中1の国語教科書(光村図書)に掲載されている作品で、とても短いです。すぐ読めるので、こちらは読んでおいてもいいでしょう。

最後にあらすじを載せています。読書感想文を書く際などに参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)

『夏の体温』はaudibleでも聴くことができます。「夏の体温」だけですと、約2時間くらいで聴けるので、読めるにこしたことはないのですが、聴いてしまうというのも1つの手段になるでしょう。擬似体験を積むために、読む時間のない受験生はaudible利用価値あるのではないでしょうか。

中学受験では、2023年度第1回鴎友学園女子中学校の国語の入試問題で出題されました。
塾のアタックテスト小6総合第1回でも最後のシーンが出題されていました。

◆2023年度第1回鴎友学園女子中学校の国語の入試問題

大問1番で、この「夏の体温」が、大問2番は説明的文章(藤本英子『公共空間の景観力』)、大問3番が漢字の書き取りで、大問3番まででした。
大問1番の配点が60点、大問2番の配点が30点、大問3番の配点が10点です。

大問1番では、最初に「瑛介が1ヶ月以上入院していて、同い年の壮太が入院してきてすぐに仲良くなり、壮太が退院する日になった」という説明があり、壮太が退院するところから、まだ入院が続いている瑛介は壮太の置き土産を発見し、その後壮太から手紙が来るという、物語最後のシーンが出題されました。

この大問1番の設問形式は、問4までで全て自由記述問題です。最後に、瑛介が壮太に返事の手紙を書くのですが、その内容を瑛介になったつもりで自分で考えて書くという問題が出題されています。

鴎友女子学園中学校の国語の問題は、ここのところ例年すべて記述問題(漢字の書き取り以外)で、記号選択問題はありません。

■『夏の体温』のあらすじ(ネタバレ)

●夏の体温

小学3年生の高倉瑛介は血小板の数が少ないため、経過観察で1ヶ月以上入院している。検査のない時間は病院のプレイルームで過ごす。体は元気なのに、ずっと病院内で過ごすことにイライラする日々が続いていたが、ある日、保育士の三園さんが小学3年生の男の子が入院すると教えてくれる。低身長検査のための2泊3日の入院で来た田波壮太は、「チビだけど、9歳」と明るく挨拶し、検査入院5回目らしく、慣れた感じだった。壮太は前向きで、遊びを考えるのがうまく、紙飛行機を飛ばしたり、粘土で変な生き物を作って競争したり、瑛介は楽しくて久しぶりに時間が経つのが早く感じられる。しかし、すぐに壮太が退院する日になってしまいお別れになるが、その後壮太からの置き土産を発見し、手紙も送られてくる。

●魅惑の極悪人ファイル

容姿にコンプレックスがある大原早智は、いつも自分の想像の世界で生きていて、高校生の頃から小説を書くようになった。大学1年で発表した小説が賞を取り、それがきっかけで、大学では声もかけられるようになり、友達もできた。今までとは違う作風の悪人を描きたいと、性格の悪いやつをモデルにしようと同級生からストブラ(腹黒)と呼ばれている倉橋ゆずるを教えてもらう。倉橋に取材を頼むとあっさり承諾してくれて倉橋の家に行く。色々話を聞いているうちに、早智は自分で倉橋の高校時代のバスケ部の後輩に会いに行くことになる。倉橋の暗い過去が書き換えられ、早智は本来の取材には役に立たなかったものの、倉橋という友人を得ることができる。

●花曇りの向こう

明生は小学校を卒業し、祖母の家に引っ越した。中学は小学校の頃からの友達がいない。入学から3週間経っても友達ができず、隣りの席の川口君だけは声をかけてきてくれる。だけど、会話が長く続かない。野外学習用のお菓子を買いにみんなが行かなそうな小さい駄菓子屋に行き、昔懐かしの梅干しのお菓子を手にすると、川口君に声をかけられる。

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