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『さようなら、オレンジ』(著者:岩城けい)は三田国際学園中学校で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容、あらすじを紹介!

■『さようなら、オレンジ』(著者:岩城けい)について

この本は、岩城けいさんのデビュー作です。この作品で、第8回大江健三郎賞第29回太宰治賞を受賞しています。

アフリカ難民であったサリマが、オーストラリアへ来て、2人の息子を育てながら、スーパーの生鮮食料の加工の仕事を続けます。通い始めた職業訓練学校の英語クラスでは、日本人女性のハリネズミと知り合いますが、この日本人女性の方の内容は、この女性の先生に宛てた手紙という形で話が進みます。サリマとハリネズミ(サユリ)と2人の女性の物語という構成になっています。

異国の地で、異国の言葉を学びながら生きる、女性の苦悩などがテーマになっているため、小学生にはとても難しい小説です。中学生でも厳しいでしょう。大人向けの作品です。

受験で出題された場面は、サリマが息子の学校の先生からアフリカの母国について話してほしいと頼まれ、一生懸命覚えた英語でサリマが語る場面でした。

詳しいあらすじを最後に書いています。読書感想文などを書く際に参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)

岩城けいさんの作品は、下記の記事の方が読みやすく、学生向けです。


2017年度第2回三田国際学園中学校の国語の入試問題で出題されました。

◆2017年度第2回三田国際学園中学校の国語の入試問題

大問1番で、Aがジョーンズ先生への手紙から、文庫で約3ページ分、Bがサリマの語りから文庫で約8ページ分出題されました。

この大問1番の設問形式は、語句の意味が1題、抜き出しが3題、4択の記号選択問題が1題、20字の記述が1題、30字の記述が1題、50字の記述が1題、80字の記述が1題、自由記述が1題で全部で10問でした。

大問2番は短めの論説文ですが、100字の記述あり、資料もあり、大問3番は漢字の書き取りです。

問題文も短いわけでなく、記述問題の量もかなり多いので、時間内に終わらせるのが大変です。

記述問題の練習をしっかりこなして、すぐに書いていけるようにしておきましょう。

■『さようなら、オレンジ』あらすじ(ネタバレ)

アフリカ難民であったサリマは、政府の難民受け入れに従い、オーストラリアへたどり着く。その後夫は出て行ったまま帰らず、2人の息子を育てながら、スーパーの生鮮食料の加工の仕事を続ける。母国語も読み書きを習っていなかったけれど、サリマは英語の必要性を感じ、職業訓練学校の英語クラスへ通うようになる。

そこでは、子どもを産んだばかりの日本人のハリネズミ、イタリアン・マンマのオリーブがいた。サリマはハリネズミが自分とは違う世界の人と感じた。ハリネズミには大学研究員の夫がいて、きちんと学校に行った人であった。オリーブは自分の娘と同じくらいのハリネズミを守ってあげたいようで、世話を焼いていた。

ハリネズミはもう一度自分の夢を叶えたくて、子どもを託児所に預けて大学に勉強に行っていた。サリマはそれを羨ましく思っていたが、ある日、サリマの職場にハリネズミがやってきた。ハリネズミの娘は託児所のベッドでうつ伏せ死してしまっていたのだ。サリマはハリネズミはこんなところで働く人ではないと言ったが、ハリネズミはとにかく働きたいと言って、サリマに仕事を教わりながら働き続けた。

そして、サリマの夫が2年も出て行ったままだったのに、突然連絡があり、息子たちに会いに来た。上の息子は夫とよく似ていたこともあり、そのまま夫の元へ連れて行かれてしまった。サリマにとって救いだったのは、残った下の息子が学校の宿題を広げて、英語でまるで母国語のように読み上げてくれることだった。

ハリネズミは再び妊娠し、慣れてきた職場も退職することになる。そして、無事女の子を出産し、今度はオリーブが赤ちゃんを預かってくれると言って、また大学に通えるようになる。

サリマは、職場の上司であり、サリマの仕事の実力を認めてくれている監督と学校で会うことになる。監督は車の運転を習いに職業訓練校に来ていたのだ。監督は免許を取り、サリマをドライブに誘う。

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