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『Masato』(著者:岩城けい)は暁星中、芝中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!

■『Masato』(著者:岩城けい)について

この本は、在郷20年以上の作者岩城けいさんによる、オーストラリアに転勤になった家族のお話で、地元の公立の小学校の5年生になった安藤真人の視点で書かれています。

真人は最初英語がわからず、クラスメイトにからかわれても何も言い返せず、辛い思いをしますが、だんだん慣れて英語がわかるようになり、友達も少しずつできるようになると、真人は日本に帰るよりも、現地の友達と遊んでいる方が楽しくなります。その反面、真人の母は、なかなか現地になじめず、英語もわからず、友達もできず、早く日本に帰りたいと思うようになります。そのため夫婦喧嘩も絶えず、真人の将来についても平行線をたどるばかり....真人は小学校を卒業した後、どうなるでしょうか。

海外転勤の経験のあるご家庭なら、きっと共感できるところがたくさんあることでしょう。

逆に、海外で暮らしたことのない人は、海外転勤になると、こんなふうになるのかなと想像しながら楽しめるでしょう。

特に、男の子には魅力的なところがたくさんあります。オーストラリアの小学校のことがわかって面白いです。

また、日本の学校と違って、オーストラリアでは意見をしっかり表さなければならないことも描かれていて、真人がしっかり現地で自分の意思を貫いていく姿に思わず拍手してしまいたくなります

楽しく読めるいい作品なので、読解力がついてきた小学生にはぜひ読んでもらいたい本です。

ただ、表現方法が若干変わっていて、例えば、夫婦喧嘩のシーンなど、普通の小説であれば、夫と妻の一人一人の会話に「」がついていて、行が変わっていきますが、この作品では、ほとんどの会話に「」がなく、子供の真人が聞こえてくる内容をつらつらと行替えもなく、真人が聞いているように書かれています。おおよそ、どちらのセリフか見当がつく範囲ですが、若干戸惑うかもしれません。

下記の中学校で出題された問題の中にも、カギカッコのないセリフがたくさんありました。そのまま読めば、しゃべっているんだなとわかりますが、試験で違和感を感じたかもしれません。

中学受験では、2016年度暁星中学校2016年度第2回芝中学校の国語の入試問題で出題されました。

◆2016年度暁星中学校の国語の入試問題

『Masato』からのみの出題でした。「第7章 スクールコンサート」の最初から単行本で9ページ弱が出題されました。スクールコンサートでやる劇に、真人はセリフのない海賊の役をやらないかと担任のオキーフ先生に言われ、自分の体でどう表したらいいか考える場面です。

設問形式は、漢字が1問、慣用句が1問、適語補充が1問、5択の記号選択問題が2問、30字の記述が1問、80字の記述が1問、自由記述問題が4問で全部で11問でした。
最後の1問は、自分の経験を書く問題でした。問題数は多くないですが、自由記述の解答欄も大きめなので、それなりの文字数が必要なため、時間をかけてしっかり書けないとならないでしょう。

◆2016年度第2回芝中学校の国語の入試問題

大問4番で、最初にリード文があり、「第8章 ワトソン・カレッジ」から単行本で9ページ弱出題されました。真人が担任のオキーフ先生にすすめられて、ワトソン・カレッジハイスクールのオープンデーに上演されるミュージカルを1人で観に行く場面です。
大問1番は漢字、大問2番は語句+漢字、大問3番は論説文で、大問4番まででした。

この大問4番の設問形式は、30字の記述が2問、25字の記述が1問、60字の記述が1問と問4までで、全て記述問題でした。

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