最近Twitterで、パスコがコオロギパウダー入りのパンを販売していると炎上しているようですが、なぜ今頃炎上したのでしょうか。パスコがコオロギパウダー入りのパンを発売したのは、2020年12月なのに。他の記事を書く予定でしたが、コオロギについて調べていたら、いろいろ掘り起こしてしまったのでこちらを先に書くことにしました。
2020年12月1日にフィナンシェとバゲッド発売
敷島製パン株式会社(Pasco)は、2020年12月1日(火)よりPascoのオンラインショップ限定で、「Korogi Cafe(コオロギ カフェ)」シリーズより「コオロギのフィナンシェ」、「コオロギのバゲット」を発売しました。
パスコが炎上した理由はわかりませんでしたが、コオロギが話題になったのは自称「運び屋」デジタル大臣が試食したことが報道されたからのようです。
無印良品はせんべいとチョコ
無印良品のことも話題になっていますが、こちらも最近発売されたわけではないようです。第2弾のチョコが、2021年12月の発売となっています。
トモズでは、プロテインバーなどを2月18日に発売
こちらは先週、発売されたようです。
これらは、食べたくない人は買わなければよいわけですが、問題なのは子どもの給食です。
徳島で食用コオロギの粉末が学校給食に
昨年11月には、徳島県の高校でコオロギ粉末を使った「カボチャコロッケ」が給食メニューに登場しました。
給食に入れるということは、食べたくない人にも出されます。これまで日本人が食べてこなかったコオロギを、子どもたちが食べても大丈夫なのでしょうか。
追記:この事例は希望者だけのようでしたが、給食への導入が広がることへの懸念があります。
内閣府の資料
Twitterでは、内閣府の資料も拡散されていました。
「数種のリスクに関しては、更なるエビデンスが必要であることを強調しておく」と書かれています。つまり、まだよくわからないということです。
内閣府の資料で、もう1つ気になるものを掘り起こしました。
食品安全委員会では、国民からの意見などに基づきリスク評価を行う「自ら評価」を実施しています。
「自ら評価」で選定されなかった昆虫食
内閣府の説明がわかりにくかったので、他のサイトから引用します。これは2022年度の記事ですが、例年、7月1日~7月31日の間に国民から募集しているようです。
令和4年度の「自ら評価」案件候補の外部募集
令和2年度「自ら評価」検討資料に、昆虫食の提案がありました。
4その他
(1) 昆虫食由来アレルゲン物質
昆虫食に関する提案は、令和元年にもあったようです。
上記の資料には、グルテンやカゼインについての提案もあり、現場の医師からの提案でも選定されていないことがわかります。結局、募集しても都合のよい評価しかしないような印象です。
選定されなかった理由については、下記の資料に書かれています。
(資料2-1)令和3年度の「自ら評価」案件の選定について(案)(専門調査会後一部修正)[PDF:1644KB] より
「令和3年度の調査事業により、代替たんぱく(昆虫食、代替肉等)について情報収集をおこなう」と書かれていた調査の結果が下記だと思います。
和 4 年 3 月 特定の新規食品の安全性評価手法に関する調査
調査報告書
欧州でのコオロギの事例(163ページ~)がありましたが、日頃食べているものとの比較などがなく、どのくらいの数値だと安全なのかがよくわかりませんでした。
下記は、そのほかの国についてまとめた表です。
昆虫食に関しては、ほとんどの国でまだ評価事例がありません。
日本での「健康被害に関する情報は得ていない」のは、食べている人が多くなかったからであり、被害の情報がないから安全とは限らないでしょう。また、日本で昔から食べられていたイナゴなら大丈夫かもしれませんが、コオロギは日本人の体に合うかわかりません。そのようなものを、なぜ小学校の給食に入れるのでしょうか。
「誰も飢えさせない」プロジェクト
国は、国民に昆虫食をどんどん食べさせたいようです。全国からスペシャリストを集めたプロジェクトとして、2020年12月から昆虫食事業を進めています。「2025年までに高品質昆虫の安定生産体制を整え、2030年までの量産化を目指す」そうです・・・。
下記のページに参加企業一覧があります。
参加企業の一部を引用。
徳島県の給食に参入したグリラスという会社も、この中に入っています。
「誰も飢えさせない」というビジョンのもとで、スペシャリストたちがが全国から集まって取り組んでいるプロジェクト。
コオロギの次は、ミズアブのようです。生ゴミのコンポストなどに発生するアレです・・・。