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密かな「追記」のウラ側

ある説明書に追記することが必要だと判断された内容が、実際に追記されました。けれども、すでに古い説明書を受け取っている人は、新しい説明書を見る機会がありません。追記したことを周知させる努力をしなければ、追記されたことに気づかない可能性もあるのです。努力をしないということは、何を意味するのでしょうか。

第4回医薬品等行政評価・監視委員会

6月28日に、第4回医薬品等行政評価・監視委員会が開催されました。そこで、新型コロナワクチンについても話し合われ、その時の資料や議事録が厚労省のサイトで公開されています。

厚労省サイト ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医薬品等行政評価・監視委員会 > 2021年6月28日 第4回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録 資料

議事録は意味が分かりにくく、質問に対する回答がずれている部分もありますが、接種後の死亡報告についてなど、話し合いがなされたことは事実です。

ここで注目したいのが、佐藤嗣道委員による質問です。佐藤委員は、事前質問でも新型コロナワクチンの安全性について疑問を呈しています。


○佐藤委員 先日の副反応部会、検討部会のことに関してなのですが、心筋炎のことが大分かなり議論されていましたね。私、傍聴させていただきましたけれども、その中で指摘があったのは、やはり心筋炎のリスクについてきちんと周知すべきであるということが言われたかと思います。特に若い方、若い男性がなりやすいということもあって、胸が苦しいという、あるいはそれに先立つような症状があったときに一般の方は心筋炎ということ自体を知らないので、こういうことが起きたら、ワクチン接種後にこういう心筋炎の症状が起きたらすぐに医療機関に連絡するなり救急車を呼ぶなりすべきであるということがもっと周知されないと手遅れになる例があるという、そういう御指摘はあったと思うのですね。ですので、厚労省が作成しているこのワクチンを接種する方へという参考資料2-2に出ているワクチン接種のお知らせの中で、心筋炎のリスクについてきちんと記述すべきではないかと思います。一応それは意見として申しておきます。

これに対して、下記の回答がありました。

○山口予防接種室ワクチン対策専門官 御指摘ありがとうございます。
御指摘もっともでございまして、我々としても特に今、心筋炎については若い方の接種が始まっておりますので、適切な情報提供してまいりたいと思っております。先生のような御意見も含めて、今、取り組んでいるところでございます。御指摘ありがとうございます。

そして、7月13日に「新型コロナワクチン予防接種についての説明書」が、ファイザー社、モデルナ社ともに更新されていました。

ファイザー社の説明書。

ファイザー

モデルナ社の説明書。

モデルナ

接種券と一緒に郵送されるので、すでに手元にある方は比べてみてください。

これからこの説明書を渡す場合は、きちんと対応する自治体なら、追記があるものに差し替えるでしょう。では、すでに郵送された人の分は、どうなるのでしょうか? 

追記されたことを、テレビなどのメディアは伝えているのでしょうか? 私は、ニュース番組などで取り上げられているのは見ていません。首相官邸のTwitterや厚労省のサイトだけでは、情報を得られる人は限られてしまいます。

デマを否定する内容のときは、テレビで大々的に取り上げました。新たにリスクとして追記された情報も、同じぐらい重要なものとして扱うべきだと思います。

心筋炎については、Vol.23やVol.25 でも取り上げています。