見出し画像

決めればいいだけなのに。

【パーフェクト文章塾】塾長の大竹ひろこです。


本当にねー。
決めればいいのにねー。
ただ決めればいいだけなのにね。

ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、人は一日に3万5000回もの決断をしている、なんてネット上に書かれていたりしますけども。


小さな決断はできるのに、その人にとっての大きな決断は、なかなかできなかったりする。


今私が書いた「小さな決断はできる」というのも、もしかしたら嘘で。


それは私が、こういう体験をしたから。


2024年7月現在、私は49歳です。
初めて海外旅行に行ったのは、41歳の時。(遅いよね)


行き先はニューヨーク。10日間の滞在。
宿泊先はブロンクス。黒人とヒスパニック中心の居住地区で、治安が悪いで有名な場所。


同行してくれたのは、イギリスに3年間住んでいたことがあり、英語がペラペラで、ニューヨークに友達がいるという、過去の文章塾塾生。


ブロンクスについたのは夜でした。
空港から2番の地下鉄(NY滞在中何度も乗ったw)に乗って、やっとこさたどり着く。


おなかがすいたので、私たちは駅前のデリを見つけて入りました。


そこは、私が住む東京蒲田にあるベトナム料理とかタイ料理とか、そういった系の雰囲気の店で、店内には信じられない数のメニュー表が貼ってありました。


壁一面、メニューですよ!
「こ、こんなにメニューがあるの?」


英語をしゃべることはできないけれど、読むことなら少しできる私は、メニュー表の文字を拾って読みました。


よく見ると、同じメニュー表がたくさん貼られているだけで、内容は重複していました。「だよね、こんなにあるわけない」


おなかがすいていますし、さあ注文しよう。といっても私は英語ができないので、友達に注文をお願いしました。私はチキンを。


「しめじ先生(当時の私の呼ばれ方)!チキンどれにしますか?」

「どれって、チキンはチキンでしょ」


壁のメニューを見ると、なんとチキンが6種類ある。
なんて書いてあるかわからない。どれが鶏のどの部位なのかわからない。


日本ならば、ケンタッキーに行って「チキン5本」と言えば何かしらの部位が出てくるのに。ここでは部位を選ばなければならない。


「え、えっと、じゃあ、これとこれ」
テキトーに選ぶしかない。


日本では選ばなくてもいいものを選ばなくてはならない。初めての海外旅行で私が初めて体験した、「これが外国というものか……!」な体験です。


この後私はニューヨークで、「たくさんある中から選ぶ」という体験を何度もしました。


そりゃ日本でだってありますけど、ニューヨークは数が違う!多いんだ!多すぎるんだ!


帰国して気付きました。


「私たち日本人は、決められたルールの中で生きてきたから、決めることに慣れていないんだ」と。


決められたルール、規則、敷かれたレール。
そういうものを嫌だと思っていた私は、それがいかにありがたいことだったのかをしみじみ感じました。


この理論でいくと、「夢は何ですか?」なんてセリフは聞きたくないですよね。無限大にある事柄の中から、たった一つを選ぶのかい?ということになる。


昭和以前の日本は、モノがない、食べるのにも一苦労。だから選択肢が少なかった。選ぼうにも選べなかったのかもしれない。


しかし令和の今。モノはあふれ、選択肢は無限にあり、SNSを使えば一躍有名人にもなれるようなチャンスにもあふれている。


この状態で、選んで、決める。
こりゃ難易度高いよ!


だから、なかなか決められなくても、おかしなことではないと思う。


そんな時は、ニューヨークのデリの私のように、「え、えっと、なんか、これ!」みたいに、まずテキトーに決めてみるのも、いいかもしれませんね。


テキトーに決めたことをやってみて、なんか合わないなと思ったら、また違うことをやる。


案外、人生、この繰り返しの方が、うまくいくかもしれませんよ。














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?