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『たそがれ清兵衛』【映画レビュー】

★★★★★
鑑賞日:2022年6月19日
劇場:Amazon Prime Video

2002年11月公開

前から気になってた映画 やっと観れた! 
時代劇も良いものだと改めて思った

山田洋次監督が、構想10年、時代考査1年以上かけた傑作!!
藤沢周平原作 第26回日本アカデミー賞 全部門優秀賞 なんかこれだけでも凄そう

何と言っても映画の持つ空気感がいい 日本の原風景の様で どこか懐かしい感じがする。



少しだけ ネタバレ

主人公 井口清兵衛(真田広之)は幕末の庄内地方 海坂藩(存在しない)の下級武士、認知症の母と2人の娘と暮らす、 
死んだ妻の薬代と葬儀の代金の返済のために、着の身気のままの生活 
そこに 親友の娘 幼馴染でもある 飯沼朋江(宮沢りえ)が出戻りで登場する。
実は 清兵衛 小太刀の使い手 その為に 藩命により 余吾善右衛門(田中泯)との果し合いとなる。

まず 清兵衛と2人の娘の絆 家族愛がとても良く出てる 山田洋次監督らしい
観ていて とても 微笑ましい

清兵衛は小太刀の遣い手 その為 殺陣が独特でこの役は真田広之しか出来ないと思った。

あと いろいろな場面に出てくる 生活の“所作” 剣術の”型”などが
空気を引き締める。

朝食のシーンで お粥を 食べた後に 洗鉢「せんばつ」する姿 大根の漬物で器を洗う
木立 真剣での 素振りからの 形稽古
立ち会いの前 身支度するときの所作 
いろいろなところで 空気を引き締める場面が 映画の引き締めになっている。

余吾善右衛門『田中泯』が凄い。殺陣はそんなに上手とは思わないが 何故か存在感が強い 演技と言うより 表現といった感じ さすがダンサー

最後に 自分の好きなシーンがあります。
立ち会いの前夜 清兵衛は小太刀を研ぐところ、 やはり大事の前には 自分の得物を手入れをする。 心静かに研ぐ仕草がなぜか好きです。

清兵衛は太刀を捨て 小太刀のみ その一振りの小太刀を丁寧に手入れをしている。
この小太刀 たぶん古い物(貧乏で買えない)だと思う。でも刀身は光り輝いていた。
さすが 小太刀の遣い手

ものを大事にする心 改めて教えられた気がします。
外見は見すぼらしくても 中身は綺麗でいたいですね
色々なことを考えさせられました。 
いい映画です                                                  

(text by 丞蔵)


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