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血沸き肉躍る、全身が燃え滾る傑作『RRR』【映画レビュー】

★★★★☆
鑑賞日:10月25日
劇場: 109シネマズ名古屋
 
監督:S・S・ラージャマウリ
主演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr.
   ラーム・チャラン

1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビームと、大義のため英国政府の警察となったラーマ。それぞれに熱い思いを胸に秘めた2人は敵対する立場にあったが、互いの素性を知らずに、運命に導かれるように出会い、無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに、2人は友情か使命かの選択を迫られることになる。

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皆さまご存知、日本でもヒットした『バーフバリ』のS・S・ラージャマウリ監督による新作。

これがもう期待に違わぬ傑作。

話自体はそう捻ったものではなく、偶然出会った2人の男が友情と使命と大儀のためにぶつかり合うというもの。
しかし、単に大味なだけではなくしっかりと必然性を持ってストーリーが展開されるのだから見事なもの。

例えば、主人公の一人ビームの登場シーン。
森の中で虎を捕らえるのだが、それがビームの強さを単純に誇示するだけのものではなく、彼の優しいパーソナリティが分ったり、その後のアッと驚く展開で虎が使われたりするので非常にスマート。

インド映画にお約束のダンスや歌のシーンも上手い。

無駄にダンスや歌が登場せず、ここぞという時にだけ使われる。

序盤のハイライトのこのダンス・バトルは燃える。
しかも、ここで鳴らされるリズムが後の重要なシーンで効果的に使われるんだから唸ってしまう。


と、まあまあ冷静に書いてますが、アクションは本当に凄い!

『バーフバリ』のアクションは時代やシチュエーションもあって荒唐無稽で笑えるが、今回は舞台が1920年代なので比較的リアル(と言ってもムチャクチャだが)にストレートに燃えるアクションシーンのオンパレード。

上映時間はほぼ3時間だが退屈する時間は全く無い。
展開も小気味いいし湿っぽいとこもなく、ずっと楽しめる。

もちろん見るなら劇場のデカいスクリーンと良い音響で。
上映回数は少ないがIMAXシアターでもやっているし。

S・S・ラージャマウリ監督、今回も凄かった。

(text by President TRM)


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